アストンマーティン・ブルドッグ

アストンマーティン・ブルドッグ：幻のスーパーカー

アストンマーティン・ブルドッグは、1970年代後半にアストンマーティン社によって開発された、伝説的な2ドアクーペです。1979年に発表され、当初はわずか25台の限定生産が計画されていましたが、最終的には試作車の段階にとどまり、一般市場には出回りませんでした。しかし、その稀少性と高度な技術、そして魅力的なデザインから、現在でも多くの自動車愛好家から熱い視線を集めています。

圧倒的なパフォーマンスと先進技術

アストンマーティン・ブルドッグは、その低い車高と、当時としては非常に先進的なリアビューモニターによって、優れた視界を確保していました。ガルウィングドアを採用し、その独特のスタイルは、他のスポーツカーとは一線を画す存在感を放ちます。1979年末に行われたテスト走行では、307km/hという驚異的な最高速度を記録。この数値は、当時のスーパーカーの中でもトップクラスの性能を示しています。

洗練されたデザインと豪華な内装

外装は、シャープな平面で構成されたボディが特徴です。5連の格納式ヘッドライトは、ブルドッグの個性的な顔つきを際立たせています。内装は上質な革張りで、デジタル表示の計器類が配置され、ドライバーに快適で高機能な運転環境を提供します。リアビューモニターは、後方の視界を確保するために不可欠な装備でした。

エンジンと改良

パワープラントには、ツインターボV型8気筒ガソリンエンジンを搭載。当初は燃料噴射装置が採用されていましたが、その後ウェーバー製の気化器に変更されました。これは、おそらく燃料供給システムの最適化や信頼性向上を狙った改良だと考えられます。

時を超えたレストア

製造から30年以上が経過した現在、アストンマーティン・ブルドッグは、数々の変更を経て甦っています。当初の銀色のボディカラーは、ライトグリーンのツートンカラーに変更され、内装も丁寧に張り替えられました。これらのレストア作業は、この稀少なスーパーカーを未来へ繋ぐ、重要な取り組みと言えるでしょう。

結論

アストンマーティン・ブルドッグは、その優れたパフォーマンス、先進的な技術、そして独特のスタイルによって、多くの自動車ファンを魅了し続けています。市販されなかったという事実が、かえってその伝説性を高めており、自動車史における重要な一台と言えるでしょう。アストンマーティン・DBS、アストンマーティン・V8、アストンマーティン・ラピードといった同社の他の名車と並んで、今後も語り継がれる存在となることは間違いありません。

もう一度検索