アトゥナイサ・モリ

ニュージーランドラグビー界が生んだ才能あるプロップ、アトゥナイサ・モリ（Atunaisa Moli）は、1995年 6月12日にニュージーランド北島東海岸に位置するギズボーンで生を受けました。フィールド上では、最前列を担うプロップとしてプレーしており、スクラムやブレイクダウンといったコンタクトプレーでチームを支える重要な役割を担っています。

恵まれた体格を持ち、身長189cm、体重127kgという堂々たる体躯は、プロップとしてスクラムや密集での強靭なプレーを可能にしています。プロップはスクラムの最前線で相手と組み合い、セットプレーの安定に不可欠なポジションであり、そのための強さと技術が求められます。モリ選手の恵まれた体格は、まさにこの役割を果たす上で大きなアドバンテージとなっています。

キャリアの初期段階から、そのポテンシャルは高く評価されていました。ニュージーランドの有望な若手選手が集まるU20代表では、チームの主将を任されるなど、リーダーシップの資質も早くから示していました。U20代表主将としての経験は、単なるプレーヤーとしてだけでなく、チームを牽引するリーダーとしての資質を育む貴重な機会となったと言えるでしょう。

国内リーグでの経験を積んだ後、モリ選手はスーパーラグビーの舞台へと進みました。2016年にはニュージーランドを代表する強豪チームの一つであるチーフスに加入し、プロキャリアを本格的にスタートさせました。チーフスでは長年にわたり、パックの重要な選手として活躍し、多くの試合でチームの勝利に貢献しました。スーパーラグビーという世界トップレベルのリーグでプレーを続ける中で、プロップとしての技術、特にスクラムの安定性やオープンプレーでの貢献度を高めていきました。

国際舞台では、成人ニュージーランド代表、通称オールブラックスにも選出されています。世界最高峰のラグビー国であるニュージーランドにおいて、栄光のジャージを着用することは、全ての選手にとって最大の目標の一つです。モリ選手は、国内での実績が認められ、この目標を達成しました。これまでに国際試合で5キャップ（2025年1月時点）を獲得しており、キャリアのハイライトの一つとして、ラグビー界最高の舞台であるラグビーワールドカップ2019のニュージーランド代表スコッド入りを果たしたことが挙げられます。ワールドカップへの出場は、彼のキャリアにおける大きな功績であり、世界レベルでの経験を積む貴重な機会となりました。

また、世界選抜チームとして知られるバーバリアンズの一員としてもプレーした経験があり、国際的な評価の高さを示しています。バーバリアンズでのプレーは、様々な国のトップ選手と共にラグビーを楽しむ特別な機会であり、彼のプレースタイルが国際的に通用することの証明でもあります。

長年チーフスの中心選手として活躍した後、モリ選手は新たな挑戦を選びました。2024年からはスーパーラグビー・パシフィックに所属するウェスタン・フォースに移籍。オーストラリアを拠点とするチームでプレーすることになり、新たなチームメイトと共に、リーグでの成功を目指しています。フォースにおいても、彼のパワフルなスクラムと献身的なプレーは、チームにとって不可欠な要素となっています。

現在もウェスタン・フォースでプレーを続けるアトゥナイサ・モリ選手は、プロップとしてセットプレーでの安定供給はもちろん、フィールドプレーでも貢献できる現代的なプロップとして、チームの勝利のために日々奮闘しています。今後の彼の更なる活躍に注目が集まります。

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