アトム 未来派 No.9

アトム 未来派 No.9

『アトム 未来派 No.9』は、日本のロックバンドBUCK-TICKによる20枚目のオリジナルアルバムです。このアルバムは2016年9月28日にLingua Sounda/JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントよりリリースされました。本作は前作『或いはアナーキー』から約2年3ヶ月ぶりの作品となり、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントに復帰後の初のアルバムでもあります。

アルバムタイトルは、今井寿が印象に残った歌詞のフレーズを集めたものであり、早い段階から「未来派」がテーマとされていました。ジャケットデザインを決める際に「アトム」「未来派」「No.9」といったキーワードが出てきて、最終的にタイトルが決定した経緯があります。メンバーはその独特なタイトルに当初は戸惑いを見せていましたが、アルバムを通してその意義を再確認することができました。

ボーカルの櫻井敦司は、本作を「出てきたアイディアを素直に盛り込むことを意識した作品」と表現し、ソロ活動を経たことでBUCK-TICKの幅の広さを改めて認識したと語ります。彼はこれまでの許容範囲を少し柔らかくし、「面白い」と思ったものを積極的に取り入れる姿勢を持つようになったとのことです。ギターの星野英彦も「意外とコンセプトがしっかりしている作品になった」と述べ、バラエティに富んだ楽曲がありながらも、最終的には統一感のあるアルバムに仕上がったと分析しています。

初回限定版にはSHM-CD仕様とともに、ブックレット、先行シングル「New World」のミュージックビデオが収録されたBlu-ray/DVDが同封され、さらに「New World」のハイレゾ音源の無料ダウンロードクーポンも提供されています。また、ツアーファイナルの日本武道館公演やファンクラブ限定ライブ「FISH TANKer's ONLY 2017」では、アルバムタイトルに合わせた『鉄腕アトム』とのコラボレーショングッズも登場しました。

収録曲一覧

全曲の編曲はBUCK-TICKによって制作されています。

楽曲解説

1. cum uh sol nu -フラスコの別種-
「cum uh sol nu」とはラテン語で「精液、それと太陽と男」と訳されます。また、ホムンクルス（人造人間）のアナグラムでもあり、パラケルススの著作に関連しています。地下王国の理想郷を意味する「シャンバラ」と「アガルタ」にも言及しています。

2. PINOA ICCHIO -躍るアトム-
「PINOA ICCHIO」はピノキオを指し、今井はこの名前の中に「AI」を入れ愛を表現することを意図しました。

3. DEVIL'S WINGS
「New World」のB面曲として収録され、原曲とは異なるアレンジがあります。

4. El Dorado
エレクトロな要素を取り入れた新しいタイプの楽曲です。

5. 美 NEO Universe
歌詞に七つの大罪が登場します。

このように、各楽曲に込められたテーマやモチーフは深く、聴く者に様々な印象を与えます。『アトム 未来派 No.9』はBUCK-TICKらしい多彩な音楽性であり、そのコンセプトや制作プロセスを通じて、バンドの進化と意欲を感じさせる一枚となっています。

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