アナスタシア (映画)

『アナスタシア』は、1997年に20世紀フォックスが製作したアニメーション映画で、ドン・ブルースとゲイリー・ゴールドマンが監督を務めました。この作品は、1956年の映画『追想』のリメイクであり、ロシア皇帝ニコライ2世の末娘アナスタシア皇女の伝説を題材にしています。主人公の声をメグ・ライアンが、主要キャラクターの声をジョン・キューザックらが担当しています。また、日本では2020年10月16日にDisney+で配信が開始され、松岡裕紀が20世紀スタジオ作品の吹替演出を担当しました。

物語は、ロマノフ朝の皇女アナスタシアが8歳の時、祖母である皇太后から宝石箱と鍵のペンダントを贈られる場面から始まります。しかし、そのパーティーで魔法使いラスプーチンの呪いによりロシア革命が勃発し、アナスタシアは混乱の中で行方不明になってしまいます。10年後、記憶を失った孤児アーニャは、家族の手がかりであるペンダントを頼りにパリを目指します。一方、詐欺師のディミトリとウラジミールは、皇太后がアナスタシアを探しているという情報を聞きつけ、偽のアナスタシアを仕立てて褒美を得ようとします。オーディションで良い人材が見つからない中、アーニャと出会い、彼女を騙して旅をすることになります。

旅の途中、アーニャとディミトリは次第に惹かれ合います。一方、ラスプーチンはアーニャがアナスタシアであると確信し、彼女の命を狙います。パリに到着後、アーニャは皇太后の侍女ソフィーと面会し、アナスタシアに関する知識を披露しますが、そこでディミトリが教えていない質問にも答えます。その答えから、ディミトリはアーニャが本物のアナスタシアであると気づきます。

この映画は、第70回アカデミー賞で主題歌賞と音楽賞にノミネートされるなど、音楽面でも高い評価を受けました。ミュージカル版も制作され、2017年にブロードウェイで初演されました。その後、世界各地で公演が行われ、日本でも宝塚歌劇団による上演や、梅田芸術劇場での公演が開催されました。ミュージカル版は、映画版のストーリーをベースに、新たな音楽や演出が加えられています。

主なキャスト

アナスタシア皇女 / アーニャ: メグ・ライアン (歌：リズ・キャラウェイ) / 白木美貴子 (歌：鈴木ほのか)(吹替)
ディミトリ: ジョン・キューザック (歌：ジョナサン・ドクチツ) / 石川禅 (吹替)
ラスプーチン: クリストファー・ロイド (歌：ジム・カミングス) / 壤晴彦 (吹替)
マリー皇太后: アンジェラ・ランズベリー / 此島愛子 (吹替)
ウラジミール: ケルシー・グラマー / 石田圭祐 (歌：佐山陽規)(吹替)
バルトーク: ハンク・アザリア / 中尾隆聖 (吹替)
アナスタシア皇女 (幼少期): キルステン・ダンスト / 前田織里奈 (吹替)
ソフィー: バーナデット・ピータース / 高谷あゆみ (吹替)

ミュージカル版

ブロードウェイ版では、テレンス・マクナリーが脚本、ステファン・フラハティが音楽、リン・アレンスが作詞を担当しました。

日本での公演

梅田芸術劇場公演では、以下のキャストが主要な役を演じました。

アーニャ（アナスタシア）：葵わかな/木下晴香
ディミトリ：海宝直人/相葉裕樹/内海啓貴
グレブ：山本耕史/堂珍嘉邦/遠山裕介
ヴラド：大澄賢也/石川禅
リリー：朝海ひかる/マルシア/堀内敬子
マリア皇太后：麻実れい

宝塚歌劇団による公演では、以下のキャストが主要な役を演じました。

アーニャ（アナスタシア）：星風まどか
ディミトリ：真風涼帆
グレブ：芹香斗亜
ヴラド：桜木みなと
リリー：和希そら
マリア皇太后：寿つかさ

『アナスタシア』は、アニメーション、ミュージカルともに、壮大なスケールで描かれたロマンチックな冒険物語として、世界中の観客を魅了し続けています。

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