アニマル・ロジック

アニマル・ロジック：VFXから映画製作へ、グローバル企業の躍進

アニマル・ロジックは、オーストラリア・シドニーに本社を置く、世界的に有名な視覚効果（VFX）制作会社です。1991年、ザレー・ナルバンディアンとクリス・ゴドフリーによって設立された同社は、当初は従業員10名という小さなスタートでしたが、着実な成長を遂げ、現在ではシドニー、ロサンゼルス、バンクーバーに拠点を構えるグローバル企業へと発展しています。

ハリウッドVFXへの参入とアニメーション分野への進出

初期はテレビ番組やCM制作に携わっていたアニマル・ロジックは、1995年公開の映画『ベイブ』への参加をきっかけに、ハリウッド映画業界へ本格的に進出します。その後、数々の話題作にVFXを提供することで高い評価を獲得し、業界での地位を確固たるものにしていきました。

2006年には、同社にとって大きな転換点となる出来事が起こります。フルCGアニメーション映画『ハッピー フィート』がアメリカで公開され、アカデミー長編アニメ映画賞を受賞したのです。この成功は、アニマル・ロジックの知名度を飛躍的に向上させ、世界中から優秀なアーティストや技術者を惹きつけました。従業員数は300名を超え、企業規模は大きく拡大しました。

『ハッピー フィート』の成功を受け、アニマル・ロジックはワーナー・ブラザース映画と長編アニメ映画製作に関する業務提携を結びます。このパートナーシップは、同社のアニメーション制作における更なる発展を促す重要な役割を果たしました。

事業多角化とグローバル展開

アニマル・ロジックは、VFX制作に加え、アニメーション制作、さらには映画製作という3つの事業分野を柱としています。2008年にはロサンゼルスにゲーム開発スタジオを設立、2012年にはシドニーのVFX制作会社フューエルVFXを買収し、2014年にはVFX部門、アニメーション部門、そして映画製作部門を設立するなど、組織再編を行い、事業の多角化を図ってきました。

国際的な事業展開も積極的に行い、2015年にはカナダのバンクーバーに支社を設立しました。これにより、同社はシドニー、ロサンゼルス、バンクーバーの3拠点体制を確立し、600名以上の従業員を抱える大企業へと成長を遂げました。

また、ワーナー・ブラザース以外にも、イマジン・エンターテインメントとの業務提携や、新たな映画製作会社トルーアント・ピクチャーズの設立など、積極的に外部との連携を図り、映画制作におけるプレゼンスを高めてきました。

代表的な作品

アニマル・ロジックは数々のハリウッド映画のVFX制作に携わっていますが、特にアニメーション分野では、『ハッピー フィート』を始め、『LEGO® ムービー』シリーズ、『レゴバットマン ザ・ムービー』、『DC がんばれ!スーパーペット』など、世界中で大ヒットした作品を手がけてきました。

Netflixによる買収の可能性

2022年7月、Netflixはアニマル・ロジックの買収を検討していることを明らかにしました。もし買収が実現すれば、アニマル・ロジックはNetflixのコンテンツ制作における重要な役割を担うことになり、さらなる成長が期待されます。

オーストラリア映画産業への貢献

アニマル・ロジックは、オーストラリア映画産業の発展に大きく貢献してきた企業の一つです。オーストラリア映画製作支援団体Ausfilmの一員として、同国映画産業の活性化に尽力しています。

今後の展望

アニマル・ロジックは、VFX、アニメーション、映画製作の3つの分野で高い技術力と実績を誇る企業です。Netflixによる買収の可能性も含め、今後の動向が注目されます。同社は、技術革新と国際的なコラボレーションを継続し、世界中の観客に感動を与える作品を作り続けることでしょう。

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