アニメだいすき!

『アニメだいすき!』の歴史と影響

『アニメだいすき!』は、読売テレビが1987年から1995年にかけて、春休みや夏休み、冬休みの学休期間中に放送した特別枠のアニメ番組です。この番組は関西ローカル向けのセールス枠で、OVA（オリジナル・ビデオ・アニメーション）やアニメーション映画を中心に取り扱いました。読売テレビにとっては新たな試みであり、アニメファンには特別な存在だったと言えます。

メインプロデューサーを務めたのは、諏訪道彦氏です。彼はアニメ番組のプロデューサーとして広く知られ、この番組の構想には「アニメの活性化と可能性の開拓」というテーマが掲げられていました。放送初期は午前9時から11時25分の時間帯に放送され、その後は午後の時間帯に変化することも多かったのです。

番組は、かつての映画番組『CINEMAだいすき!』のスタイルを踏襲しており、姉妹特番としても認知されていました。主要な放送内容に加え、成人指定扱いの作品を深夜に放送する『夜のアニメだいすき!』、大みそかから元旦まで特別枠で放送される『初日の出・アニメだいすき!スペシャル』、人気声優がトークを披露する『アニメだいすき! 特別号』など、様々な形態の姉妹枠を持っていました。

1987年春には、映画『ユニコ』や『ルパン三世 カリオストロの城|ルパン三世_カリオストロの城』、OVA『軽井沢シンドローム』などを7時間にわたって放送し、多くの視聴者にOVAの魅力を伝えました。1988年には視聴率こそ1桁だったものの、視聴占有率は50%近くに達し、定着の兆しを見せ始めました。特に、同年11月には押井守監督の特集番組を組み、OVA『天使のたまご』や『トワイライトQ 迷宮物件 FILE538』の紹介とともに、押井氏へのインタビューも行われるなど、意欲的な試みが続けられました。

この番組の特筆すべき点は、インターネットや衛星放送が普及していなかった当時に、新作OVAの情報を早期に伝えたことです。アニメ専門誌に頼らざるを得ない状況の中、テレビ放送を通じて新たな情報を提供することができ、多大な影響を及ぼしました。

また、シーズン4の最終回放送後には、『シティーハンター2』に先駆けた特別番組を放送し、シリーズの見どころを紹介するなど、視聴者とのつながりも大切にされていました。シーズン5の際には、同局の開局30周年を祝し、「よみうりテレビ・アニメ30年史！」というスペシャルプログラムが深夜に放送されました。

拡張された影響は関東地区にも広がり、視聴者からは同じ内容を関東地区で放送してほしいとの要望も多くありましたが、最終シーズンに至るまで関西ローカル枠での放送が続きました。

オープニングとエンディングの演出にも工夫があり、オープニングではデジタルエフェクトを使った映像に各作品が紹介される仕組みが採用されていました。シーズン毎に異なる洋楽の楽曲が用いられ、視聴者にとっても新鮮な体験を提供していました。また、視聴者からのアンケートに基づいた『アニメだいすき！データブック』の配布や視聴者プレゼントなども行われ、視聴者との関わりも重視されていた点が印象的です。

このように、『アニメだいすき!』は単なるアニメ番組に留まらず、アニメの文化や環境を改善し、アニメ界の発展に寄与した重要な番組だったと言えます。

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