アビアンカ航空410便墜落事故

1988年3月17日午後1時17分、コロンビアのククタ近郊でアビアンカ航空410便が墜落する航空事故が発生しました。この事故で、乗員7名と乗客136名、計143名全員が亡くなるという悲劇に見舞われました。

事故を起こした機体は、アビアンカ航空が運航するボーイング727-21型機（登録記号HK-1716）でした。この機体は、かつてパンアメリカン航空で「クリッパー・ケルンボン」という愛称で運航されていたN321PAで、1974年9月20日にアビアンカ航空に売却されました。1966年に製造されたこの機体は、事故発生までに43,848時間の飛行時間を記録していました。

410便は、ククタのカミーロ・ダサ国際空港（CUC）からカルタヘナのラファエル・ヌニェス国際空港（CTG）へ向かう定期国内旅客便でした。ククタの滑走路33を離陸直後、機体はエル・エスパルティージョ山に墜落しました。目撃者の証言によると、ボーイング727は非常に低い高度で飛行しており、その後、山頂付近に衝突したとのことです。

墜落は午後1時18分01秒に発生し、機体は木々に接触した後、山頂に激突しました。燃料に引火して爆発し、機体は2つに分断されて大破しました。残骸は半径60メートル以内に散乱していました。救助隊は事故現場に急行しましたが、日没のため視界が悪く、到着が遅れました。地域の住民が明かりを提供し、救助隊は山頂に到達することができました。

翌日、遺体は身元確認のため、出発地のククタに運ばれました。公式な事故原因は、高度6,343フィートでのCFIT（Controlled Flight Into Terrain）とされました。調査の結果、複数の要因が事故につながった可能性が指摘されました。その中には、乗員ではないパイロットがコックピットにいたことでパイロットの注意が逸れたり、航空機の操縦に干渉したりした可能性や、機長と副操縦士のチームワーク（クルー・リソース・マネジメント）の欠如も含まれていました。

この事故は、1995年12月20日に発生したアメリカン航空965便墜落事故（150名死亡）まで、コロンビアで最も多くの犠牲者を出した航空事故でした。アビアンカ航空410便の墜落事故は、パイロットエラーと不十分なクルーリソースマネジメントが複合的に作用し、防ぐことができたはずの事故であったと言えるでしょう。

この事故の教訓は、航空安全の重要性を改めて認識させるとともに、パイロットの訓練やクルー間のコミュニケーションの重要性を強調するものでした。

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