アビィ・アハメド

アビィ・アハメド・アリについて

アビィ・アハメド・アリは、1976年8月15日にエチオピアのオロミア州で生まれた政治家であり、軍人です。2018年4月にエチオピアの首相に就任し、その後の活動で特に評価されたのは、エリトリアとの長年の敵対関係を終わらせた和平プロセスです。彼の業績は2019年にノーベル平和賞として認められました。

幼少期と学歴

アビィはオロモ民族出身ですが、家庭環境は多文化的です。父はイスラム教徒のオロモ人で、母はアムハラ人のキリスト教徒でした。彼は子どもの頃、「アビヨット」という名で呼ばれていました。教育はオロミア州で受け、その後、反政府運動に参加し、国軍にも所属。アジス・アベバにある大学で学位を取得し、MBAや博士号も取得しています。

反政府運動と軍歴

アビィは、政府に対する反抗が盛んだった1980年代に、オロモ人民民主機構に加入しました。彼は、政府崩壊後は国軍に加わり、情報インテリジェンスの職務に従事し、アフリカ全土での平和維持活動に参加しました。特にルワンダの国連平和維持活動では重要な役割を果たしました。この経験が後の政治活動に大きな影響を与えました。

政治家としての活動

2010年にアガロ地区選出の国会議員となり、オロモ人やアムハラ人の対立解消に向けた活動を続けました。2015年からは科学技術大臣として働き、第4次政権の行政に携わります。2016年からはオロミア州の代表行政官として、地域の改革や若者の雇用問題に取り組み、多くの支持を集めました。

首相就任と和平

2018年に首相に就任し、彼は短期間で政治犯の釈放や抑圧的な制度の撤廃を実施しました。特にエリトリアとの和平に向けた努力は、彼の首相在任中の重要なポイントといえます。エリトリアとの国境問題に関しては、アビィは2000年のアルジェ合意に従ってバドメを譲渡する決定を下し、この大きな一歩が両国の関係改善に寄与しました。

6月には、エリトリアのイサイアス・アフェウェルキ大統領との会談が行われ、和平の意向が確認されました。7月の首脳会談では、歴史的な平和友好の共同宣言が署名され、戦争状態の終結や外交関係の正常化が合意されました。これらの成果により、アビィは国際的にも注目を浴び、同年10月にはノーベル平和賞を受賞しました。

国内情勢と対立

しかし、彼の政権は常に平穏無事ではありませんでした。特に、反政府活動や民族間の対立が続き、ティグレ州ではティグレ人民解放戦線との間で緊張が高まりました。2020年には対立が軍事衝突に発展し、国内での不安が増大しました。アビィは武力衝突を解決する過程で様々な政治的決断を下し、その際に数多くの非難や支持を受けました。

結論

アビィ・アハメド・アリはエチオピアにおいてこれまでにない指導者としての役割を果たし続けています。彼の政策は国家の統合や地域の安定に向けた画期的なものであり、今後彼の政治的選択がどのように国を発展させていくのかが注目されます。

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