アビゲイル・フィルモア

アビゲイル・フィルモアの生涯

アビゲイル・フィルモア（1798年3月13日 - 1853年3月30日）は、アメリカの第14代大統領、ミラード・フィルモアの妻（ファーストレディ）として知られています。彼女はニューヨーク州サラトガ郡スティルウォーターに生まれ、父はバプテスト教会の教役者でした。父が亡くなると、母と共に家族は西部へ移住し、アビゲイルは教育を受けながら成長しました。

1819年、アビゲイルはニューホープで教師として働き始めました。その際、最年長の生徒がミラード・フィルモアであり、彼との間に徐々に深い愛情が芽生えていきました。長い交際を経て、1826年に結婚した二人は、ニューヨーク州エリー郡に新居を構えました。アビゲイルは家庭を持ちながらも教育への情熱を失わず、教壇に立つことを続けました。

1832年、最初の子どもである長女メアリー・アビゲイルが生まれ、その後、バッファローに移り住みます。旦那が国政に関わる中で、アビゲイルも様々な事を学び、名高い庭園の栽培を楽しむようになります。

1847年には、ミラードがニューヨーク州会計監査官に任命された際にオールバニに一時移住し、その後1849年にミラードが副大統領になったことに伴い、ワシントンD.C.に転居。わずか16ヶ月後、ミラードは大統領職に就くこととなり、アビゲイルはファーストレディとしてホワイトハウスに入ります。

ファーストレディとしての生活は、彼女の健康上の理由から控えめなものでした。公的な役割の多くを娘のメアリーに任せ、彼女自身はイエローオーバルルームの図書室の本選びに関心を持ちながら、私的な生活を送っていました。

しかし、1853年に行われたフランクリン・ピアースの大統領就任式に参加した際に風邪を引いてしまい、やがて肺炎を発症。ホワイトハウスを出てからわずか26日後に、ワシントンD.C.のホテルで息を引き取りました。彼女の遺体はニューヨーク州バッファローのフォレストローン共同墓地に埋葬されました。

ミラードは、アビゲイルの死後5年後に再婚し、その後も生活を続けました。アビゲイル・フィルモアの生涯は、彼女が教育に情熱を持ち続け、家庭を支えたかけがえのない時間を物語っています。彼女の影響は現在でも語り継がれ、アメリカ合衆国の歴史における重要な存在として位置づけられています。

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