アビジャン

アビジャン：西アフリカを牽引する国際都市

コートジボワール南部の都市アビジャンは、同国最大の都市であり、西アフリカにおける経済・文化の中心地として重要な役割を担っています。2019年のグローバル都市指標では世界第92位にランクインしており、その国際的な影響力は計り知れません。

1983年に首都機能はヤムスクロに移転しましたが、現在もコートジボワールの国民議会と最高裁判所がアビジャンに所在し、経済の中枢都市としての地位を揺るぎないものとしています。事実上の首都機能を維持しており、政治、経済両面でコートジボワールを支えています。2014年時点での自治区人口は約470.7万人、市域人口は約439.5万人と、大規模な都市圏を形成しています。

アビジャンの歴史：植民地時代から現代へ

アビジャンは、元々はエブリエ族の村落でしたが、1893年のフランス領コートジボワール成立後、グラン・バッサムから首都が移転される際に、フランス人がその地を選定しました。先住民を移住させた後に、アビジャン市は建設されました。

1904年にはアビジャンとニジェールのニアメを結ぶ鉄道の建設が始まり、1934年にはバンジェルヴィルから首都がアビジャンに移転しました。1936年から建設が始まった運河は1950年に完成し、翌1951年にはアビジャン港が開港しました。鉄道はその後1954年にブルキナファソのワガドゥグーまで延伸されました。

1960年のコートジボワール独立後、開放的な経済政策によりアビジャンは急速に発展し、西アフリカ諸国からの移民も多く受け入れました。首都がヤムスクロに移転した1983年以降も、アビジャンは政治、経済の中心としてその地位を維持し続けています。

アビジャンの地理：多様な顔を持つ都市

アビジャンはエブリエ潟を取り囲むように、プラトー、トレッシビル、アジャメ、ココディ、アボボ、ポール・ブエ、ヨープーゴン、マルコリー、アッテクベ、クマシの10の区から構成されています。

中心街であるプラトー地区には政府官庁や企業が集積し、高層ビルが立ち並びます。東部のココディ地区は高級住宅街として知られ、大使館や豪邸が点在しています。一方、南部のトレッシビルや北部のアジャメは下町で、アビジャン最大の市場やバスターミナルがあり、活気に満ち溢れています。また、ポール・ブエにはフェリックス・ウフェ＝ボワニ国際空港があり、大西洋にも面しています。

アビジャンの気候：サバナ気候

アビジャンの気候はケッペンの気候区分でサバナ気候（Aw）に分類されます。

アビジャンの経済：西アフリカの経済ハブ

アビジャンは重要な港湾都市であり、コートジボワールの生産物が盛んに輸出されています。食品加工、製材、自動車生産、織物工業、化学産業など、多様な産業が発展しており、「西アフリカの優等生」と呼ばれるコートジボワールの経済を支えています。同国最大の石油精製施設もアビジャンに存在します。また、フェリックス・ウフェ＝ボワニ国際空港は、ヨーロッパ、中東、アフリカ各地と結ばれ、国際的な交通の要衝となっています。

アビジャンの交通：陸海空のネットワーク

アビジャンは、フェリックス・ウフェ＝ボワニ国際空港、アビジャン・ニジェール鉄道、そしてアフリカでは珍しい都市高速道路を備えた、充実した交通インフラを誇ります。アビジャン自治港は、海上輸送においても重要な役割を果たしています。

アビジャンの教育：高等教育機関の集積

アビジャンには、アビジャン大学、フェリックス・ウフエ＝ボワニ大学、コートジボワール高等技術研究所、西アフリカカトリック大学など、多くの高等教育機関が集中しています。これらの教育機関は、コートジボワールの人材育成に大きく貢献しています。

アビジャンのスポーツ：熱狂的なサッカー文化

アビジャンを本拠地とするASECミモザやアフリカ・スポールといったサッカークラブは、国内外で活躍しており、アビジャンのサッカー文化の高さを示しています。

アビジャンの文化施設：充実した文化資源

首都移転後も、多くの行政官庁や各国大使館はアビジャンに留まっています。市内には国立図書館や国立美術館などの文化施設も充実しており、アビジャンの豊かな文化を象徴しています。2019年には、日本の資金協力による自動車用高架橋が完成しています。

アビジャンの国際関係：世界と繋がる都市

アビジャンは、マルセイユ（フランス）、ブローニュ＝ビヤンクール（フランス）、ヴィゼウ（ポルトガル）、横浜市（日本）、天津市（中国）、サンフランシスコ（アメリカ）、サンパウロ（ブラジル）、クマシ（ガーナ）、リーブルヴィル（ガボン）、コトヌー（ベナン）など、世界各国の都市と姉妹都市・提携都市の関係を結んでいます。

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