アビジャン・ニジェール鉄道

アビジャン・ニジェール鉄道

アビジャン・ニジェール鉄道は、コートジボワールの首都アビジャンからブルキナファソの首都ワガドゥグーを経てカヤまで続く、全長1,245kmの鉄道路線です。この路線の628kmはコートジボワールに、残りの617kmはブルキナファソに所在しています。鉄道の軌間は1,000mmと狭軌で構成されています。

歴史的背景

この鉄道路線は、フランス領西アフリカの内陸開発を目的とし、1904年1月12日からアビジャンで着工されました。最初の区間のボボ・ディウラッソまでの建設は、1934年に完了しました。さらに1953年にはクドゥグまで、1954年にはワガドゥグーまでの延伸が行われ、ラインの総延長は1,155kmに達しました。

1960年、コートジボワールとオートボルタ（現・ブルキナファソ）が独立を果たしたため、さらなる延伸計画は一時中断されました。しかし、ブルキナファソ北東部でマンガン鉱が発見されたことから、再び延伸工事が始まり、1991年にはワガドゥグーから77km北のカヤまでの延長が実現しました。

経由地点

この鉄道は以下の主要な地点を経由しています：

• - アビジャン（起点）
• - ブアケ（Bouaké）
• - フェルケセドゥーグー（Ferkessédougou）
• - ワンゴロドゥグー（Wangolodougou）
• - バンフォラ（以下ブルキナファソ）
• - ボボ・ディウラッソ（Bobo-Dioulasso）
• - クドゥグ
• - ワガドゥグー（Ouagadougou）
• - カヤ

運営の変遷

1904年からはアビジャン・ニジェール鉄道（RAN）が路線の運営を行っていましたが、1989年には国境で運営が分かれ、それぞれコートジボワール鉄道とブルキナファソ鉄道が担当するようになりました。1995年には上下分離の形態が採用され、鉄道輸送の運営はシタレール社が行い、インフラの管理は両国の鉄道資産管理会社が担当しています。

現在の状況

アビジャン・ニジェール鉄道は、特に内陸国であるブルキナファソにとって非常に重要な輸出ルートかつ交通手段ですが、現状の管理は良好とは言えず、経営主体も度々変わりました。現在の区間ではバスが頻繁に運行されており、道路輸送が優勢な状態となっています。また、2002年に発生したコートジボワール内戦により、国内の鉄道が南北に分断され、運行が大幅に制限される事態に陥り、経済にも大打撃を受けました。

この鉄道の持つ重要性を見ると、将来的な管理の改善やさらなる延伸計画の実現が期待される部分も少なくありません。地域経済の発展と安全な輸送が確保されることで、重大な役割を果たすことが望まれます。

• ---

このように、アビジャン・ニジェール鉄道は長い歴史と複雑な運営状況を抱えつつも、地域における重要な交通インフラとしての機能を持っています。

もう一度検索