アフォンソ2世 (ポルトガル王)

アフォンソ2世（ポルトガル王）

アフォンソ2世（Afonso II、1185年4月23日 - 1223年3月25日）は、第3代ポルトガル王（在位：1211年 - 1223年）。「肥満王」（Gordo）と仇名され、歴代ポルトガル王の中で初めて国内の高位聖職者・貴族の弱体化を図った人物として知られています。

生涯

1211年に父サンシュ1世の跡を継いでポルトガル王位に就きました。即位当初は、レオン王アルフォンソ9世との戦争状態にありましたが、自身は1212年のナバス・デ・トロサの戦いには参戦せず、臣下の多くがカスティーリャ王アルフォンソ8世の元へ集まりました。

1217年9月には、第5回十字軍の分派の助けを得てアルカセル・ド・サルを獲得。これはアフォンソ2世の治世におけるレコンキスタの唯一の成果となりました。

国内の聖職者との対立が深刻化し、ローマ教皇ホノリウス3世から破門を宣告されます。教会への補償を約束するも、1223年に約束を果たす前に没し、破門は解除されないままでした。

政策

政治・社会

アフォンソ2世の治世において、ポルトガル最初の一般法が成立しました。また、国王の諮問機関であるクリア（側近、役人、王族で構成）が結成され、重要な事項については聖職者、有力貴族、騎士団の総長が招集されるコルテス（後のポルトガル国王議会の起源）が開かれるようになりました。

レコンキスタによる領土拡大と労働力不足から下層農民階級の流動性が高まり、農奴が消滅するという社会変化も起こりました。

検地

聖職者の権力削減と収入の徴収を試み、教会による土地購入を禁止する政策を実施しました。しかし、個人の聖職者による土地購入は認められていたため、政策は十分な成果を上げられませんでした。

土地を所有する貴族に対しては、土地の登記尚書と王から与えられた特権を示し、国璽尚書院で確認を行うように命じました。1220年には王領検察制（インキリサン）を実施し、土地を巡る紛争が多かったミーニョ地方における国王特権を調査しました。1216年以降には相続領地の安堵を王に申請させる制度（コンフィルマサン）も行われ、インキリサンと合わせた国内の検地が進められました。しかし、アフォンソ2世の死と幼いサンシュ2世の即位により、インキリサンは中断されることになります。

家族

1208年にカスティーリャ王アルフォンソ8世の娘ウラカと結婚し、4男1女をもうけました。

サンシュ2世（1207年 - 1248年） - ポルトガル王
アフォンソ3世（1210年 - 1279年） - ポルトガル王
レオノール（1211年 - 1231年） - デンマーク王ヴァルデマー2世の王子ヴァルデマーと結婚
フェルナンド（1217年頃 - 1243年頃） - セルパ領主
* ヴィセンテ（1219年）

アフォンソ2世の治世は、ポルトガル王国における政治・社会構造の変革期であり、後の歴史に大きな影響を与えることになりました。

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