アフガニスタン王国

アフガニスタン王国は、1926年にアフガニスタン首長国を前身として成立した国家です。初代国王にはアマーヌッラー・ハーンが即位し、彼が首長から王を称したことで王国が始まりました。

歴史

アマーヌッラー・ハーンは、ソビエト連邦との間で中立条約を締結し、国の安定と近代化に努めました。しかし、彼の改革は保守勢力の反発を招き、社会不安を引き起こしました。1927年、アマーヌッラー・ハーンがヨーロッパを訪問中に反乱が再発すると、彼は弟のイナーヤトゥッラー・シャーに王位を譲りました。しかし、イナーヤトゥッラー・シャーはわずか3日後、反乱指導者のハビーブッラー・カラカーニーによって権力を奪われ、ハビーブッラー・カラカーニーは国制を首長国に戻しました。

その10か月後、アマーヌッラー・ハーンの国防相であったムハンマド・ナーディル・シャーが、イギリス領インド帝国に逃亡していた場所から帰国しました。イギリスの支援を受けた彼の軍勢はカブールを奪還し、ハビーブッラー・カラカーニーを逮捕・処刑しました。ムハンマド・ナーディル・シャーは国制を王国に戻し、1929年10月に国王に即位しました。彼はアマーヌッラー・ハーンの改革を一部取り消し、国を再建しました。1933年には、その息子であるザーヒル・シャーが王位を継ぎ、1973年まで長きにわたり統治しました。

ザーヒル・シャーの治世下では、アフガニスタンは初めてソビエト連邦、フランス第三共和政、イギリス、アメリカ合衆国などの諸外国と外交関係を樹立し、1934年9月27日には国際連盟に加盟しました。第二次世界大戦中、アフガニスタンは中立を維持しました。戦後、アフガニスタンは非同盟外交政策を採用し、1953年から1963年まで首相を務めたムハンマド・ダーウードは、アフガニスタンの現代工業と教育の発展に大きく貢献しました。

しかし、1973年、ザーヒル・シャーはいとこであるムハンマド・ダーウードによって廃位され、アフガニスタン王国は終焉を迎えました。ムハンマド・ダーウードは王政を廃止し、アフガニスタン共和国を建国しました。

アフガニスタン王国は、短期間ながらも近代化と国際社会への参加を進めた重要な時期であり、その後のアフガニスタンの歴史に大きな影響を与えました。



関連項目:
バーラクザイ朝
ヨーロッパによるアフガニスタンへの影響
スンナ派の王朝一覧
アマーヌッラー・ハーンの改革と内戦

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