アフリカン・ブラックウッド

アフリカン・ブラックウッド（Dalbergia melanoxylon）

アフリカン・ブラックウッド、学名Dalbergia melanoxylonは、アフリカの熱帯季節林に自生するマメ科の植物です。この木の原産地は、セネガルからエリトリア、南アフリカのトランスヴァールまで広がっています。楽器製造業界では「グラナディラ」という名で知られ、木材業者には「アフリカコクタン」やスワヒリ語での「ムピンゴ」と呼ばれています。アフリカン・ブラックウッドの重要性は、その高品質な木材にあります。

概要

この木材の色合いは赤味を帯びたものから完全な黒まで多様で、質が良いものは工業用木材市場で高値が付けられています。製材の際は、心材と区別がつく明るい黄白色の辺材を残す方法が一般的です。この木は、ババナスやグラナディラとも呼ばれており、地域ごとの言語や方言で様々に名付けられています。しかし、過度の伐採によって、特にケニアでは深刻な状況にあることが指摘されています。また、タンザニアやモザンビークでも注意が必要な段階にあります。

分布

アフリカン・ブラックウッドは、アンゴラ、ウガンダ、エチオピア、カメルーン、ケニア、コートジボワール、コンゴ民主共和国などの国々に自生しています。その生育環境について、特に保護されるべきとされています。

特徴

この植物は、低木または高木として成長し、高さは最大で7メートルに達します。灰色の樹皮と棘のある枝を持ち、乾季には葉を落とします。葉は互生で羽状に分かれており、長さは6〜22センチメートル、9〜13枚の小葉で構成されています。小さな白い花は甘い香りを放ち、密集した房状に咲きます。また、実は灰色で紙状の扁平な莢を持ち、長さは最大7センチメートルで、種子が1〜2個含まれています。

他の木材との関係

近年、アフリカン・ブラックウッドは黒檀とは別物と見なされるようになりました。黒檀という名前は、主にカキノキ科の樹木に使用されるようになり、これらの樹木はよりもろい特性を持っています。さらに同属には、ブラジリアン・ローズウッドやキングウッドなど、他にも木材とされる樹木が存在します。

用途

アフリカン・ブラックウッドは、音色の特性から木管楽器やバグパイプなどに多く使われ、高い評価を受けています。また歴史的にも、エジプトの時代から家具製造や商船のバラストとして重宝されてきました。最近では、ロシアのGresso社がアフリカン・ブラックウッド製の高級携帯電話を販売し始めたことでも注目されています。

保護プロジェクト

アフリカン・ブラックウッドの保護には、ムピンゴ保護プロジェクトとアフリカン・ブラックウッド保護プロジェクトという二つの団体が関与しています。ムピンゴ保護プロジェクトは、地元のコミュニティに利益を分配することで、木材の持続的な利用を促進し、環境保護にも寄与しています。一方、アフリカン・ブラックウッド保護プロジェクトは、植林活動や保護教育に取り組みながら、地域住民と共に環境の健全な利用の推進を行っています。

アフリカン・ブラックウッドは、その美しさと有用性から大きな価値を持っていますが、一方で持続可能性に焦点を当て、その保護にはさまざまな取り組みが必要です。

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