アブラージュ・アル・ベイト・タワーズ

アブラージュ・アル・ベイト・タワーズ

アブラージュ・アル・ベイト・タワーズ（アラビア語: أبراج البيت‎、英語: Abraj Al Bait Towers）は、サウジアラビアのメッカに位置する壮大な超高層ビル群です。これらのビルは、その中でも特に高い601mのホテルタワーを中心に構成されており、世界で3番目に高い超高層ビルとして注目を集めています。さらに、この施設は自立式建造物としても4番目の高さを誇ります。

概要

ビル群は、601m、260m、250m、240mの7つのタワーから成り立っています。特に高い601mのタワーは、95階建ての「メッカ・ロイヤル・クロック・タワー・ホテル」として知られ、サウジアラビアで初めて500mを超える建物です。2008年から2012年にかけて建設され、最終的に2012年に全てのタワーが竣工しました。この複合施設の延べ床面積は150万平方メートルであり、かつての世界記録保持者であるアールスメール花市場を上回る規模を持っています。完成時点で、ブルジュ・ハリファに次ぐ高さを持つ建物として知られましたが、その後、上海中心が完成したことで、現在は世界第3位となっています。

ホテル棟

このタワー内にあるホテルは、100,000人が同時に宿泊できる大規模な施設を備えています。毎年500万人を超えるムスリムがハッジに訪れるため、こうした宿泊施設の需要は非常に高く、アブラージュ・アル・ベイト・タワーズの開業により、混雑を緩和することが期待されています。特に、全ての部屋から聖地カアバを望むことができるため、巡礼者にとって非常に貴重なロケーションとなっています。

また、このホテルの特徴の一つとして、直径43mの巨大な時計があります。この時計は世界最大で、長針の長さは23mにも及び、25km先からでも視認できるように設計されています。さらに、タワーの最上部には展望台があり、その上部には純金の三日月を抱いたミナレットが位置しており、その高さは93mです。このミナレットも、世界最大のものとなっています。

施設と構造

アブラージュ・アル・ベイト・タワーズ内部には、4階建てのショッピングモールである「アブラージュ・アル・ベイト・モール」があります。さらに、数千人が集まることのできる祈祷所や、約1000台分の駐車場、二つのヘリポート、会議場なども完備されています。これにより、国際的な会議やイベントの開催地としても活用でき、多様な利用が可能です。

立地と歴史的背景

このビル群は、神聖なカアバやマスジド・ハラームから目と鼻の先に位置しています。しかし、建設にあたってはオスマン帝国時代の遺構であるアジャド要塞を取り壊す必要があり、これに対しては国内外からの批判がありました。それにもかかわらず、建設は進められ、要塞は取り壊されました。

アブラージュ・アル・ベイト・タワーズは、単なる宿泊施設を超え、宗教的および歴史的な意味を持つ建築物として、ムスリムにとって大変重要な存在となっています。このように、タワーズは未来の巡礼者たちに、その信仰の旅を支えるための場を提供しているのです。

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