アミア目

アミア目：太古から現代へ繋がる古代魚の系譜

アミア目(Amiiformes)は、硬骨魚類の一分類群であり、新鰭亜綱に属します。その歴史は古く、化石記録からは中生代三畳紀中期から新生代始新世前期まで、実に幅広い時代を生きたことが分かっています。かつては世界中に広く分布していましたが、現在では北アメリカに生息するアミア属の2種のみが生き残っており、生きた化石として知られています。

多様な化石種と分類体系

アミア目の分類は複雑で、大きく2つの上科に分けられます。

1. Caturoidea上科: この上科はすべて絶滅種であり、三畳紀中期から白亜紀前期にかけて生息していました。中国雲南省で発見されたGuizhouamiaや、ヨーロッパで発見されたCaturus、Amblysemiusなどが含まれます。これらの化石は、アミア目の初期進化を理解する上で重要な手がかりとなります。

2. Amioidea上科: この上科には、現生のAmia属を含むアミア科(Amiidae)が含まれます。アミア科はさらに複数の亜科に分類され、その中には、ジュラ紀後期から白亜紀後期にかけてヨーロッパに生息していたAmiopsinae亜科、ジュラ紀後期のヨーロッパ海成層から発見されたSolnhofenamiinae亜科、白亜紀前期から始新世前期にかけて生息し、中には体長2mに達する大型種も含まれるVidalamiinae亜科などが含まれます。また、アジア地域からは、ジュラ紀後期から白亜紀前期にかけて東アジアを中心に繁栄したSinamiidae科の化石が多数発見されています。Sinamia属は中国を中心に8種が知られており、日本からもシナミア・ククリヒメが発見されています。さらに、タイ王国からはSiamamiaやKhoratamiaといった属が報告されています。日本の白亜紀前期の地層からはNipponamia、スペインの白亜紀前期の地層からはHispanamiaといった属も発見されています。これらの化石種は、アミア目の多様性と地理的分布を物語る証拠となります。

現生種：アミア属

現在、アミア目にはアミア属( Amia)のみが生き残っています。2022年までは、アミア・カルヴァ(Amia calva)が唯一の現生種とされていましたが、近年、アミア・オセリカウダ(Amia ocellicauda)という隠蔽種が再記載されました。アミア属は北米に分布し、淡水域に生息します。これらの魚は、古代魚の特徴を残しつつ、現代の環境に適応して生き残ってきた、貴重な生き物です。日本の新生代中新世の地層からは、Amia godaiという化石種も発見されています。

まとめ

アミア目は、その化石記録から、中生代を通して多様な進化を遂げたことが分かります。現在ではわずか2種しか残っていませんが、その系統は古く、地球の歴史を語る上で重要な存在です。化石種の発見と研究は、アミア目の進化史をより詳細に解明し、生物進化の謎を解き明かす重要な手がかりとなります。今後の研究によって、さらに多くの情報が明らかになることが期待されます。

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