アメイジア大陸

アメイジア大陸とノヴォパンゲア大陸：未来の超大陸

概要

アメイジア大陸（Amasia）またはノヴォパンゲア大陸（Novopangea）は、プレートテクトニクスの理論に基づき、約2億5000万年後に地球上に形成されると予測されている超大陸です。アメイジアは「アメリカ」と「アジア」の合体を示唆する名称であり、ノヴォパンゲアは「新しいパンゲア」を意味します。パンゲア大陸は、約2億年以上前に存在したとされる超大陸で、現在の大陸はこのパンゲア大陸が分裂して形成されました。

アメイジア大陸の形成は、地球内部のマントルの対流によってプレートが移動し、アフリカ大陸、ユーラシア大陸、アメリカ大陸、オーストラリア大陸が合体することで起こると考えられています。この過程で太平洋は消滅し、その跡には巨大な山脈が出現すると予測されています。さらに、太平洋の消滅後には、大規模なプルーム現象が発生するとも考えられています。

大陸の具体的な合体順序については、いくつかの説があります。例えば、「東ユーラシアと北アメリカが直接衝突し、その南にオーストラリアが衝突する」という説や、「オーストラリアが両者の間に割り込むように北上する」という説、さらには「南極大陸がオーストラリアの南側に衝突するか、単独の大陸として残る」という説など、研究者によって見解が分かれています。一方で、イェール大学の研究者らは、北極を中心に超大陸が形成されるという説を提唱しています。

アメイジアとノヴォパンゲアの名称について

「アメイジア」という名称は、1992年にケンブリッジ大学のクリス・ハートナディが提唱した説に、ハーバード大学のポール・ホフマンが命名したものです。この説では、南極大陸はあまり移動せず、孤立した大陸として残るとされています。一方、「ノヴォパンゲア」という名称は、1990年代末にケンブリッジ大学のロイ・リバモアが提唱した説に基づいており、この説では南極大陸が新たな沈み込み帯によって太平洋を北上し、超大陸に加わるとされています。

2012年には、イェール大学のロス・ミッチェルらが「北アメリカとアジアが北上し、北極海で衝突する」という説を発表しました。この説では、太平洋の代わりに北極海を中心とした超大陸が形成されるとされていますが、彼らはこの超大陸をアメイジアと呼んでいます。現在では、北極海で衝突するという説が「アメイジア大陸」、太平洋で衝突するという説が「ノヴォパンゲア大陸」として紹介されることがありますが、広義には、これらの超大陸をまとめてアメイジアと呼ぶこともあります。

その他の超大陸形成の予測

アメイジア大陸とは別に、現在拡大している大西洋が縮小し、消滅する形で超大陸が形成されるという説もあります。この超大陸は、パンゲア・ウルティマ大陸またはパンゲア・プロクシマ大陸と呼ばれています。

さらに、太平洋と大西洋が共に消滅し、それを補う形でユーラシア大陸が新たなプレート境界によって東西に分裂し、その間に新たな大洋ができるという説も2018年に発表されました。この超大陸はオーリカ大陸と呼ばれています。

これらの説は、地球の未来における大陸の配置を予測するものであり、地球のダイナミックな変動を理解する上で重要な役割を果たしています。

参考文献

テッド・ニールド 著、松浦俊輔 訳『超大陸 : 100億年の地球史』青土社、2008年。ISBN 978-4-7917-6442-6。

関連項目

大陸移動説
* パンゲア大陸

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