アメンエムハト6世

アメンエムハト6世について

アメンエムハト6世は、紀元前1788年頃から紀元前1785年頃にかけて、古代エジプト第13王朝のファラオ（王）として在位していた人物です。彼の即位名はセアンクイブラーであり、古代エジプトの王名表の一つであるトリノ王名表の第6欄10行目に記録されています。また、カルナック王名表にも彼の名前が見られます。

彼に関する資料は限られていますが、エル＝マハミドとエル＝クィブリという二つの場所で彼の名前を刻んだ円柱が発見されており、これらから彼の存在が確認されています。さらには、カルナックやアビドスといった遺跡で発見された石碑からもカルトゥーシュ（王名が囲まれた象形文字）を確認できることが、アメンエムハト6世が実在した証拠とされています。

アメンエムハト6世の生まれた名前はアメニ・アンテフ・アメンエムハトです。この名前は、彼自身の個人名と、父親や祖父の名前が組み合わさったものだと考えられています。この解釈の根拠として、同じ時代の王の息子にあたるアンテフという名前が記されたスカラベ印章が発見されています。学者たちの研究によれば、アンテフがアメンエムハト6世の父であり、その父親はアメンエムハト5世である可能性があります。

第13王朝の王たちの中には、二つ以上の名前で構成された誕生名を用いる者が多く、この点が王統の復元に貢献しています。たとえば、アメニ・ケマウという同時代の王はアメンエムハト5世の息子とされ、彼が後継者であったとの見解が広がっています。

また、ケマウ・サホルネジヘルイトエフという人物は、ケマウの息子であり、アメンエムハト6世の従兄弟だったとも言われています。サホルネジヘルイトエフの後継者であるイウフニも、アメンエムハト6世の前任者として兄弟だった可能性があります。しかし、古代エジプトでは一人の王が複数の名前を持つことが非常に一般的であったため、王統の復元作業には多くの解釈が存在します。このように、アメンエムハト6世の王朝は学者たちの間で議論を呼んでおり、王の血縁関係や統治のあり方についての完全な合意には至っていません。

脚注

アメンエムハト6世に関する研究は、ピーター・クレイトンの『古代エジプトファラオ歴代誌』や、エイダン・ドドソン、ディアン・ヒルトンによる『全系図付エジプト歴代王朝史』など、多くの文学に基づいています。これらの資料は、古代エジプトの歴史を理解する上で非常に重要な情報を提供しています。本記事を通じて、アメンエムハト6世の治世や家系の複雑性についての理解が深まることでしょう。

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