アメンホテプ3世

アメンホテプ3世の生涯

アメンホテプ3世は、古代エジプト第18王朝で第9代のファラオとして、約40年間にわたって在位しました。彼の即位名「ネブマアトラー」は「真実の主はラーなり」という意味を持ち、正妻のティイとの間に数人の子供がいました。アメンホテプ3世は、前王朝のトトメス3世やトトメス4世の時代を受け継ぎ、豊かで強大な王国を築き上げました。

建築事業と信仰

彼は、アメン神を非常に信仰しており、その信仰を象徴するような壮大な建築を数多く残しました。特に名高いのは、テーベに位置するカルナックのアメン神殿とは直接つながるルクソール神殿の建設です。さらに、アメンホテプ3世のために建設された葬祭殿も非常に広大でしたが、時代が経つにつれ後の王たちによって破壊されてしまいます。それでも、彼を象徴するメムノンの巨像は現在も残り、訪れる人々を魅了しています。

ミイラ発見

1898年には、彼のミイラが王家の谷にあるKV35で見つかりました。当初はKV22号墓に埋葬されていましたが、多くの副葬品と共に発見されました。ミイラの状態は普段どおりであったものの、頭蓋骨が胴体から外れた状態であり、専門家による調査で深刻な歯周病を患っていたことが示唆されています。また、棺の中から発見された大量の花輪は、彼が首に花輪を掛けた状態で埋葬されていたことを明らかにしました。

家族構成

アメンホテプ3世の家族は非常に多様でした。彼の妻であるティイは、神官イウヤとチュウヤの娘で、第一王妃として彼の側にありました。彼の子供の中には、後のファラオとなるアメンホテプ4世（後のアクエンアテン）や、長男のトトメス、長女のスィトアムンなどがいます。ティイとの間には、他にもヘヌトタネブや四女のネベトイアハなど、多くの子供が誕生しました。

アメンホテプ3世の家族は、ミタンニ王国とのつながりも深く、ミタンニ王トゥシュラッタの王女であるタドゥキパやシュッタルナ2世の王女であるギルヒパなど、外国の王族とも婚姻関係を結んでいました。

遺産と影響

彼の治世は、古代エジプトの歴史の中でも特に繁栄した時代とされています。アメンホテプ3世の文化や建築に関する遺産は、後の王たちにも大きな影響を与え、彼が築いた王国の魅力は今日にいたるまで忘れ去られることがありません。アメンホテプ3世は、古代エジプトの重要な人物として歴史に名を刻み続けています。

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