アヤメ科

アヤメ科（Iridaceae）は、単子葉[[植物]]に属する科で、その多くは多年草です。世界中におよそ66属2000種が存在し、特に南アフリカに多くの種が見られます。熱帯から温帯地域にかけて広く分布していますが、南アジアにはあまり見られません。

アヤメ科の花は、放射相称または左右相称の形をしています。外花被と内花被がそれぞれ3枚あり、おしべは3本です。めしべは3つに分かれており、その裂片が花弁のように見えることもあります。花の基部には2枚の苞がついており、子房は下位です。果実は蒴果となり、地下茎が球根状に発達する種が多いのが特徴です。

アヤメ科の植物は、その美しい花が観賞用として広く栽培されています。代表的なものとして、アヤメ、ハナショウブ、カキツバタ、グラジオラス、フリージア、クロッカスなどが挙げられます。また、サフランは香辛料として利用されており、私たちの生活にも深く関わっています。

アヤメ科の主な亜科と属

アヤメ科は、いくつかの亜科に分類されます。

パテルソニア亜科（Patersonioideae）
パテルソニア属（Patersonia） - オーストラリア原産のパテルソニアが含まれます。
クロッカス亜科（Crocoideae）
ホザキアヤメ属（Babiana） - バビアナなどが含まれます。
クロコスミア属（Crocosmia） - モントブレチアなどが含まれます。
サフラン属（Crocus） - クロッカスやサフランなどが含まれます。
ディエラマ属（Dierama）
フリージア属（Freesia） - フリージアが含まれます。
ゲイソリザ属（Geissorhiza）
トウショウブ属（Gladiolus） - グラジオラスが含まれます。
ヤリズイセン属（Ixia） - イキシアが含まれます。
ラペルージア属（Lapeirousia）
スパラクシス属（Sparaxis）
トリトニア属（Tritonia）
ワトソニア属（Watsonia）
アヤメ亜科（Iridoideae）
チリメンアヤメ属（Ferraria） - フェラーリアが含まれます。
ハーベルティア属（Herbertia） - チリアヤメが含まれます。
アヤメ属（Iris） - アヤメ、カキツバタ、イチハツ、ノ[[ハナショウブ]]、ハナショウブ、ドイツアヤメ（ジャーマン・アイリス）、ダッチアイリス、ヒオウギなどが含まれます。
イボクサアヤメ属（Libertia）
モラエア属（Moraea） - モラエア（モレア）が含まれます。
ネオマリカ属（Neomarica）
ニワゼキショウ属（Sisyrinchium） - ニワゼキショウやルリニワゼキショウが含まれます。
ティグリジア属（Tigridia）

アヤメ科は、その多様な形態と美しい花により、園芸分野において重要な位置を占めています。

参考資料

Angiosperm Phylogeny Group (2003). "An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG II" (PDF). Botanical Journal of the Linnean Society 141: 399–436.
The Angiosperm Phylogeny Group (2009). "An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG III" (PDF). Botanical Journal of the Linnean Society 161 (2): 105-121.
Stevens, P. F. (2001 onwards). “Iridaceae”. Angiosperm Phylogeny Website. Version 9, June 2008 [and more or less continuously updated since].
The Iris Family Natural History and Classification (Peter Goldblatt & John C. Manninig, Timber Press, 2008)

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