アライシュ

アライシュ（Larache）

アライシュ（العرائش al-ʿarāʾiš、ベルベル語派: ⴰⵄⵔⵉⵛ）は、モロッコ北部のタンジェ＝テトゥアン＝アル・ホセイマ地方に位置するアライシュ州の州都です。Larache（ララシュ）とも表記されます。

概要

アライシュはタンジェの南約70kmに位置し、大西洋に面した重要な港町です。近年、農業が発展し、急速な近代化を遂げています。周辺の盆地はモロッコにおける重要な農作地帯であり、農業生産を支えています。町の北側には、ルーコス川が流れています。

気候

アライシュは、ケッペンの気候区分において地中海性気候（Csa）に分類されます。年間を通して温暖な気候であり、四季の変化が穏やかです。10月から4月にかけては気温が比較的低くなり、降水量が増加します。一方、5月から9月にかけては降水量が減少し、乾燥した高温の日が続きます。アメリカ海洋大気庁のデータによると、アライシュの平均年間総降雨量はおよそ700mmです。冬の平均最低気温は約8℃、夏の平均最高気温は約28℃となっています。

歴史

アライシュの歴史は古く、紀元前11世紀頃にフェニキア人によって建設された古代都市リクス（現在のアライシュの東）が起源とされています。その後、ローマ帝国のクラウディウス帝の時代に、マウレタニア・ティンギタナ属州の一部となりました。リクスの衰退後、ルーコス川の対岸に新たな都市が建設され、現在のアライシュへと発展しました。

1471年、ポルトガル人が大軍を率いてアシラーを占領した影響で、アライシュは人口減少と衰退に見舞われました。しかし、その20年後にはワッタース朝によって要塞化され、再び重要な拠点としての地位を確立しました。1504年にはポルトガルに占領されましたが、1578年にはサアド朝のスルタン、アフマド・マンスール・ザハビーによって奪還されました。1610年からはスペイン領となりましたが、1689年にはアラウィー朝のスルタン、ムーレイ・イスマーイールによって再びアラウィー朝の支配下となりました。

1911年、スペイン軍がアライシュに上陸し、スペイン保護領としての歴史が始まりました。この時代、リベラシオン広場やスペイン広場の建設、新たな市の大通りや幹線道路の建設など、都市計画が推進され、アライシュは大きく変貌を遂げました。アライシュのスペイン保護領としての歴史は1956年まで続きました。

交通

アライシュは、モロッコ北部の交通の要衝でもあります。

道路

高速道路
A5 - アライシュの東を走る高速道路。
国道
国道1号線 - 町の中心部を南北に走る道路。

姉妹都市

アライシュは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

コンピエーニュ、フランス
バルバテ、スペイン
アルムニェーカル、スペイン

関連項目

モロッコの都市の一覧

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