アラブダービー

アラブダービーとは

アラブダービーは、かつて大井競馬場で開催されていたアングロアラブ系の重賞競走です。1955年に創設され、1996年に廃止されました。正式名称は「東京タイムズ杯 アラブダービー」で、東京タイムズが優勝杯を提供していました。

創設と発展

1955年に「春の特別」として創設されました。南関東公営競馬所属の3歳アングロアラブ馬によるダービー競走であり、秋には古馬による「秋の特別」（後の全日本アラブ大賞典）も始まりました。サラブレッド系の東京ダービー、東京大賞典と並び、大井競馬場の四大競走として位置づけられていました。

その後、アラブ王冠賞、千鳥賞とともに南関東アラブ三冠を構成し、南関東競馬に所属するアングロアラブ競走馬にとって、3歳春の最大の目標となりました。全国のアングロアラブ3歳馬の頂点を決める楠賞全日本アラブ優駿に匹敵する賞金を誇り、南関東所属馬限定ながらも注目を集めました。ホクトライデン、メイクマイウエー、オタルホーマーの3頭が、アラブダービーと楠賞全日本アラブ優駿の両方を制覇しています。

他地区からの参戦

アラブダービーを目指し、南関東以外の地区から転入する馬も多くいました。[スマノダイドウ]、[イナリトウザイ]、ゴールデンビクター(高崎)、オタルホーマー(道営)、フオーモサカウント(道営)、[トチノミネフジ]、アレッポオー(道営)といった馬が、他地区でデビュー後に南関東へ移籍し、アラブダービーを制覇しています。また、南関東アラブ三冠競走にのみ出走するために、一時的に南関東へ移籍する陣営も存在しました。兵庫アラブ三冠を達成したアサヒマロツトは、千鳥賞とアラブダービーにそれぞれ4着、2着という成績を残しています。

競走の終焉

しかし、アングロアラブ系の競走馬の減少に伴い、南関東公営競馬でのアングロアラブ系競走は縮小されました。1993年に千鳥賞・アラブ王冠賞が廃止された後も、アラブダービーのみが施行されていましたが、1996年の南関東公営競馬でのアングロアラブ系競走の廃止とともに、42回の歴史に幕を閉じました。

歴代優勝馬

※優勝馬の馬齢は現表記

参考文献

* 特別区競馬組合編『大井競馬のあゆみ : 特別区競馬組合50年史』特別区競馬組合、2001年、364-365頁。

もう一度検索