アラメダ (カリフォルニア州)

アラメダの概要

アラメダ（Alameda）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州アラメダ郡に位置する都市です。オークランドの西、アラメダ島とベイファーム島に広がっており、サンフランシスコ・ベイエリアの一部を形成しています。サンフランシスコ湾を挟んでサンフランシスコと向かい合うロケーションも特徴的です。2020年の国勢調査によると、人口は約7万8千人となっています。

アラメダは、独自の市憲章を持つチャーター・シティであり、1916年に制定されました。これにより、シティー・マネージャー制が導入され、現在もその制度を維持しています。

歴史

元々、アラメダ島はオークランドと地続きの半島でした。この地域は、かつてスペイン語で「常緑樹のオークの森」を意味するエンシナル（Encinal）と呼ばれていました。アラメダ（Alameda）という名前は、スペイン語で「ポプラの木が育つ場所」や「並木道」を意味し、1853年に住民の投票によって選ばれました。

18世紀後半、スペイン人がこの地にやってきた頃には、オローニ族が暮らしていました。その後、この半島は広大なランチョ・サンアントニオの一部となり、スペイン王からルイス・ペラルタに与えられました。この土地は後にメキシコに承認されました。

1853年6月6日、アラメダ市が設立されました。当初は、アラメダ、ヒバーズビル、ウッドストックの3つの小さな開拓地から構成されていました。アラメダはエンシナルとハイストリーツの2つの村を指し、ヒバーズビルはノースショア・フェリー船舶ターミナル、ウッドストックは鉄道のフェリー桟橋の近くにありました。

1854年には最初の郵便局が開設され、1864年にはサンフランシスコ＆アラメダ鉄道の駅が開業しました。エンシナル地域には、フレデリック・ルイス・ファスキングに因んだファスキングス駅がありました。1869年9月6日には、大陸横断鉄道の列車が到着するアラメダ・ターミナルが開業しましたが、その2か月後には終着駅がオークランド・モールに移されました。

1872年、市の境界が島全体に広がり、ウッドストックを市に編入しました。マーク・トウェインは、アラメダを「カリフォルニアの庭」と表現しました。

1917年には、ネプチューン・ビーチという遊園地が現在のクラブ・コーヴ地域に建てられ、1920年代から1930年代にかけて賑わいました。ネプチューン・ビーチでは、オリンピック選手のジョニー・ワイズミュラーなどがレースやエキシビションを行っていました。しかし、世界恐慌の影響やサンフランシスコ・オークランド・ベイブリッジの完成などにより、1939年に閉園しました。

現在でも、ネプチューン・ビーチの時代の住居や建物が残っています。ウェブスター・ストリートとセントラル・アベニューの角にあるクロール・ビルディングは、かつてボクシングのトレーニング施設として知られており、多くのチャンピオンがここで練習を積みました。現在は、レストランが入っています。また、ネプチューン・コートでは、1920年代のリゾートライフを彷彿させる雰囲気を楽しむことができます。

1902年には、港湾施設の拡充のためにオークランドとアラメダ間の湿地帯に運河が浚渫され、アラメダは島となりました。この浚渫で出た土は湿地の埋め立てに使われました。ベイファーム島は、盛り土によってオークランドと接続されました。

1930年代には、パンアメリカン航空がアラメダ・モールに通じる盛り土に沿って水上機の基地を建設しました。しかし、第二次世界大戦の開戦と共に、アラメダ・モールの南西にアラメダ海軍航空基地が建設されたため、飛行場は1941年に閉鎖されました。

1973年2月7日には、レモー海軍航空基地を離陸した航空機が市内のアパートに墜落し、11名が亡くなるという痛ましい事故も発生しました。

地理と気候

アラメダの市域面積は、約60平方キロメートルで、水域が約27平方キロメートル、陸地が約32平方キロメートルを占めています。アラメダは「ジ・アイランド・シティ」という愛称で呼ばれていますが、現在は島だけでなく、大陸の一部も市域に含まれています。

アラメダは温暖夏季地中海性気候に属しており、夏は暖かく乾燥しています。しかし、年間降水量が多く、地盤沈下や海水面の上昇が懸念されています。アラメダ地図地理連合によれば、湾の水面は降雨により週あたり0.000061cmずつ上昇しており、今後、ベイエリア全体が水没する可能性があると予測されています。ベイファーム島は、特に沈没の危機に瀕しているとされています。

人口と文化

アラメダには、フィリピン系やポルトガル系のコミュニティが多く、歴史的には日系アメリカ人のコミュニティも存在しました。第二次世界大戦以前には、パーク・ストリートの一部に日本人のビジネス地区がありましたが、戦時中に日本人は強制収容されました。

交通

アラメダ島へは、オークランドから3つの橋や2本の海底トンネルを通ってアクセスできます。アラメダ島とベイファーム島は、車両専用の橋と歩行者・自転車専用の跳ね橋で結ばれています。公共交通機関としては、ACトランジットのバスや2つのフェリー路線があります。

アトラクション

アラメダには、クラウン・メモリアル・ステート・ビーチや博物館船のUSSホーネットなど、多くの観光スポットがあります。また、ビクトリアン様式の建築物が数多く残っており、歴史的な建造物を見学することもできます。

アラメダは、独立記念日パレードやパーク・ストリートでのフェスティバルなど、様々なイベントも開催されており、地域住民や観光客に親しまれています。

経済

アラメダ・ポイントには、かつてのアラメダ海軍航空基地がありましたが、現在は再開発が進められています。アラメダ・ポイントには、ワインやスピリッツの醸造所もあり、近年注目を集めています。

その他の情報

アラメダには、市営の発電所があり、市民に直接電力を供給しています。また、映画の撮影地としても知られており、様々な映画が市内や旧海軍航空基地で撮影されています。

アラメダは、歴史、文化、自然が豊かに調和した魅力的な都市であり、多くの人々を惹きつけています。

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