アルゴスのアーピス

アルゴスのアーピス

アルゴスのアーピス（Ἄπις）は、古代ギリシアの神話において、特に注目される王の一人です。彼の名前は、遠く離れた場所や梨の木に由来し、英語では「エイピス」とも呼ばれています。アーピスは、ポローネウスとニュンペーのテーレディケーまたはキンナ、またはケルドとの間に生まれたとされ、ニオベーの兄でもあります。彼の家族構成については、異なる説が存在し、ポローネウスが第一夫人ペイトーとの子や、シキュオーンのアイギアロスとも関わりがあるとも言われています。また、アーピスの母親については複数の候補があり、ラーオディケーやペリメーデーが挙げられています。

統治とその後

アーピスは紀元前1600年ごろまでの35年間、アルゴスを統治していたと伝えられています。彼の統治スタイルは独裁的であり、ペロポネソス半島に「アーピアー」という名を与えました。しかし、最終的には息子であるスパルタ王テルクシオーンが、テルキースとの結託によって命を落とします。アテナイのアポロドーロスによる『ビブリオテーケー』では、アーピスがアイトーロスによって殺されたとされており、この文献では、彼と別のアーピス（ヤソンの子）が混同されている可能性があります。

アーピスの姉、ニオベーは、兄の死に対する復讐を行い、テルクシオーンとテルキースを討つことになります。この復讐劇は、アーピスの物語をよりドラマチックにしています。

神格化とエジプト神話との関係

アーピスは死後に「セラーピス」という名で神として崇拝されるようになります。この神格化は、彼の影響力の象徴であり、後の文化に大きな影響を与えました。伝説の中では、アーピスがアルゴス王国を弟に譲り、エジプトに渡って数年間統治したという話が語られています。これにより、アーピスの神話はエジプトの神アピスと結びついていき、牛の姿で表現される要素が彼の物語に混入していることが明らかとなります。

アーピスは古代ギリシアの立法者の一人とも見なされており、その影響を受けた物語や伝説は今なお人々の記憶に残り続けています。彼の統治や神格化の過程は、古代の政治的権力と宗教的信仰がどのように交錯していたかを示す興味深い事例と言えるでしょう。

関連文献

この説明には、パウサニアスや疑似アポロドーロスの文献をはじめとする、歴史的資料が参考されています。これらの資料は、アーピスに関する理解を深める手助けとなるでしょう。

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