アルト・ペルー

アルト・ペルー（Alto Perú）は、スペイン語で「高地ペルー」を意味し、かつてペルー副王領とリオ・デ・ラ・プラタ副王領に属していた行政区分です。その領域は、現在のボリビアの国土とほぼ一致します。

構成地域

アルト・ペルーは、以下の4つの地域から構成されていました。

ポトシ（現在のポトシ県）
コチャバンバ（現在のコチャバンバ県）
チュキサカ（チャルカス）（現在のチュキサカ県）
ラパス（現在のラパス県）

これらの地域は、標高が高く、アンデス山脈の豊かな鉱物資源に恵まれていました。特にポトシは、銀の産出地として世界的に有名でした。

独立の経緯

19世紀初頭、ラテンアメリカ各地で独立運動が活発化する中、アルト・ペルーでも独立の機運が高まりました。しかし、アルト・ペルーの支配層は、独立後の帰属先について意見が分かれていました。

一部は、かつて同一の行政区画を構成していたペルー共和国への併合を望んでいましたが、別の勢力はアルゼンチンへの併合を支持していました。しかし、最終的には、シモン・ボリーバルの影響下で、ペルーにもアルゼンチンにも属さない、独立した国家として歩むことを決意しました。

アルト・ペルー議会は、ボリーバルに懇願し、彼の功績を称えて国名をボリビアとすることを決定しました。こうして、アルト・ペルーはボリビアとして独立を果たし、現在に至っています。

アルト・ペルーの独立は、ラテンアメリカの歴史における重要な転換点の一つであり、その後のボリビアの政治、経済、社会に大きな影響を与えました。

もう一度検索