アルファ部隊 (ウクライナ)

アルファ部隊：ウクライナの対テロ特殊部隊

アルファ部隊（ウクライナ語: Альфа）は、ウクライナ保安庁（SBU）の指揮下にある対テロ特殊部隊です。その起源は、ソビエト連邦時代のアルファ部隊キエフ支部に遡ります。

歴史

1991年のソビエト連邦崩壊後、アルファ部隊キエフ支部はウクライナ保安庁の管轄下に移り、ウクライナの特殊部隊として再編されました。しかし、2014年のウクライナ騒乱において、アルファ部隊は反政府勢力への攻撃に関与したとして批判を浴びました。騒乱後、親ロシア派の隊員が多数脱退し、再編を余儀なくされました。脱退した隊員の一部は、その後、ドネツクやルガンスクといった親ロシア武装勢力に参加しました。

主な作戦と活動

アルファ部隊は、以下のような重要な作戦や活動に関与してきました。

嵐333号作戦: 詳細な情報は不明ですが、過去の作戦に参加したことが記録されています。
血の日曜日事件 (リトアニア): ソ連時代の作戦に参加したことが記録されています。
対テロ戦争: ウクライナ国内におけるテロ対策作戦に多数参加しています。
2014年ウクライナ騒乱: 反政府勢力への攻撃作戦に参加し、後に隊員の脱退と再編につながりました。
ドンバス戦争: ウクライナ東部での紛争において、親ロシア武装勢力との戦闘に参加しています。
2022年ロシアのウクライナ侵攻:
ホストーメリ空港周辺におけるカディロフツィの掃討（アントノフ国際空港の戦い）: ロシア軍の精鋭部隊であるカディロフツィとの激戦に参加し、ウクライナ防衛に貢献しました。
国内におけるロシア軍の賛同者、スパイの摘発: ロシアのスパイや協力者の摘発において重要な役割を果たしています。

装備

アルファ部隊の装備は、当初は主にAK-74などの旧ソ連製の武器を使用していましたが、2014年の政変以降、欧米製の武器の導入が進んでいます。特に、デザートテック SRSやSIG MCXなどの高性能なライフルが調達されており、装備の近代化が図られています。

関連項目

アルファ部隊は、以下のウクライナの特殊部隊と連携・協力関係にあります。

ウクライナ特殊作戦軍: ウクライナ軍の特殊作戦部隊。
KORD: ウクライナ国家警察の特殊部隊。
オメガ対テロ特殊部隊: ウクライナ国家親衛隊の特殊部隊。
第10機動国境支隊: ウクライナ国家国境庁の特殊部隊。

まとめ

アルファ部隊は、ウクライナの治安維持において重要な役割を担う対テロ特殊部隊です。ソ連時代から続く歴史を持ち、数々の作戦に参加してきました。近年では、ロシアとの紛争において最前線で活躍しており、その存在はウクライナの安全保障において不可欠なものとなっています。

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