アルフォンス・ド・ポワティエ

アルフォンス・ド・ポワティエ（Alphonse de Poitiers）

アルフォンス・ド・ポワティエは、1220年11月11日にポワシーで誕生したフランスの王子です。彼はルイ聖王の弟であり、1241年からポワティエ伯、さらにはサントンジュ伯およびオーヴェルニュ伯としてその地位を確立しました。また、1249年以降はトゥールーズ伯位も持つこととなりました。

生い立ちと初期の経歴

アルフォンスは、フランス王ルイ8世とその妃ブランシュ・ド・カスティーユの子供として生まれました。1250年に父からポワティエ、サントンジュ、オーヴェルニュの各伯位をアパナージュとして与えられました。最初はユーグ10世・ド・リュジニャンの娘イザベルとの結婚が計画されましたが、1229年に発効したパリ条約により無効となり、トゥールーズ伯レーモン7世の娘ジャンヌ・ド・トゥールーズとの結婚が取り決められました。この契約によって、レーモン7世が伯領を保持し、彼の父が他の所有物を継承する権利を持つことが明記されており、アルフォンスは青年期の多くを兄ルイ聖王と共に過ごしました。

政治的活動と戦争

1241年には騎士として正式に認められ、同年内には反乱を起こしたユーグ10世への対抗戦にも参戦、兄のルイ9世と共に成功を収めました。1249年には第7回十字軍に参加し、大規模な資金と兵力を投入してダミエッタに上陸。その後、兄と共にマンスーラの戦いにも立ち向かいましたが、1250年に故国に帰還することとなりました。帰途に義父レーモン7世の死去を知らされた彼は、トゥールーズへの赴任を余儀なくされました。

トゥールーズ伯としての活動

トゥールーズ伯としての地位を確立するのは簡単ではなく、反発の声もありましたが、母ブランシュの支援を得てこれを克服しました。彼は恐るべき権力を持ち、その結果として最も裕福な王族の一人となったのです。1252年には母が死去した後、兄の帰国まで共同摂政としてトゥールーズを統治しました。この時期には、1259年のパリ条約につながる重要な交渉にも関与しました。この条約によって、イングランド王ヘンリー3世はフランス王の援助を受けることから解放され、フランスに属していたいくつかの領域が失われることとなりました。

地域の発展と行政改革

アルフォンスはまた、自らの領地の管理にも注力しました。彼はアルビジョワ十字軍による影響を修正し、初めて中央集権的な行政試行を試みました。彼の名を冠した「アルフォンシーヌ」という憲章は、オーヴェルニュにおける重要な民法となりました。貿易を促進するために、ニオールとラ・ロシェルに商業施設を設立しました。また、異端審問によるカタリ派の弾圧を利用し、様々な領地から利益を上げることも行っていました。

最後の悲劇

アルフォンスは1265年からの十字軍計画に再び参加し、再度大きな資金を集めて兄のもとに向かいましたが、帰り道で病に倒れ、1271年8月21日にシエーナ近郊で急死しました。アルフォンスと彼の妻ジャンヌの間に子どもはいなかったため、彼の死によって彼の領地はフランス王国に併合されました。特に彼の所有していたオーヴェルニュの一部は、『オーヴェルニュの王領』として知られることになりました。1259年の条約により、彼に子どもがいなければアジャネとサントンジュ南部がイングランド王に譲渡されることが事前に決められていました。

このように、アルフォンス・ド・ポワティエはフランスの歴史において重要な役割を果たした人物であり、彼の活動は後の時代にも影響を及ぼしました。

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