アレキサンダー (映画)

映画『アレキサンダー』の概要

『アレキサンダー』（Alexander）は、アメリカで制作された歴史映画で、2004年に公開されました。この作品は、名監督オリヴァー・ストーンによって監督され、主なキャストにはコリン・ファレル、アンジェリーナ・ジョリー、アンソニー・ホプキンスが名を連ねています。物語は紀元前4世紀のマケドニア王アレクサンドロス3世、一般にアレキサンダー大王として知られる人物の生涯に焦点を当てています。

ストーリーの流れ

アレキサンダー大王の死後40年が経過した時、彼の臣下プトレマイオス1世は、アレクサンダーの業績を記録に残す試みを行います。アレキサンダーは紀元前356年にマケドニアの王フィリッポスと母オリンピアスの子として誕生しますが、両親の関係は緊張感に満ちていました。母親は彼を王にする夢を持つ一方で、父親は権力を奪われることを恐れていました。そのため、アレキサンダーは愛情を求め、同時代の友人ヘファイスティオンとの絆を深めることで心のバランスを保っています。

しかし、ある事件が彼の生活を一変させます。父であるフィリッポスが暗殺されたことで、20歳になったアレキサンダーは急遽マケドニアの王に就任します。更に彼はその後、ギリシアから西アジアへと進軍し、圧倒的な勝利を収めていきます。そして24歳でエジプトの王となり、ペルシア帝国への壮大な遠征を開始します。特に紀元前331年のペルシア帝国の滅亡は、彼の名を歴史に刻む重要な出来事となります。

アレキサンダーは東西融合の思想のもと、軍隊をさらに東へと進め、自らを移動する帝国へと変貌させていきますが、アジア征服の最中に彼の選択が周囲に波紋を呼びます。母親の反対にもかかわらず、彼はバクトリアの王女ロクサネを妻に迎えました。この結婚は軍の将校たちからの強い反発を招き、部隊内に不満が蓄積していきます。それに伴い、アレキサンダーは仲間から命を狙われる危険に直面しつつ、反発する者たちを排除しながら征服を続けていきます。

孤立感を強めながらも、彼はついにインドの地に足を踏み入れます。しかし、帰国後に新たな遠征の計画を立てている最中、アレキサンダーは32歳という若さで謎の死を遂げてしまいます。この死の真相は未だに謎に包まれています。

キャストと配役

映画ではアレキサンダーをコリン・ファレルが演じ、彼の少年時代をコナー・パオロが演じます。母オリンピアス役にはアンジェリーナ・ジョリー、フィリッポス役にはヴァル・キルマー、プトレマイオス役にアンソニー・ホプキンスなど、多くの著名な俳優が名を連ねています。特に、アレキサンダーの親友ヘファイスティオンの役を務めるジャレッド・レトや、ロクサネを演じるロザリオ・ドーソンの演技も見どころです。

作品の評価

この映画は公開後、評論家から賛否が分かれました。Rotten Tomatoesでは、207件のレビューのうち高評価はわずか16%で、平均点は10点満点中4点という厳しい評価を受けています。Metacriticでも、42件の評論のうち低評価が過半数を占めており、評価の分かれる作品となっています。

総じて、『アレキサンダー』はその壮大なテーマと大河的なストーリー展開ゆえに、多くの視聴者の心に深い印象を残す一方で、物語の進行やキャラクターへの感情移入の面で批判を受けることも少なくありません。その是非を問う映画作品となっています。

もう一度検索