アレクサンドリア総主教庁

アレクサンドリア総主教庁：古代からのキリスト教の重要拠点

アレクサンドリア総主教庁は、エジプトのアレクサンドリアに起源を持つ、キリスト教の重要な総主教座です。古代五大総主教座の一つであり、長い歴史と深い影響力を持っています。現在、アレクサンドリア総主教の称号を持つのは、正教会（ギリシャ正教）とコプト正教会のそれぞれの総主教です。また、カトリック教会にもアレクサンドリア総大司教が存在します。

概要

アレクサンドリア総主教庁は、古代アレクサンドリア教会の流れを汲み、その所在地は長くアレクサンドリアに置かれていましたが、現在はカイロに移っています。正教会、コプト正教会の総主教はいずれも「パパ」の称号を有し、「アレクサンドリアおよび全アフリカのパパならびに総主教」と称されます。「パパ」は「教皇」と訳されることもありますが、日本のカトリック教会における「パパ」の日本語訳であり、日本正教会ではあまり用いられません。

初代アレクサンドリア主教については、福音記者マルコであるとする説と、マルコが宣教し初代主教を任じたとする説の二つがあります。いずれにせよ、両教派ともマルコを初代アレクサンドリア総主教としています。

東西教会の分裂後、ローマ・カトリックの傘下には、アレクサンドリア総大司教座とコプト典礼カトリック教会の総大司教座が設けられました。

正教会（ギリシャ正教）のアレクサンドリア総主教

正教会のアレクサンドリア総主教は、多くの場合ギリシャ人が務め、コンスタンディヌーポリ全地総主教との結びつきが強いのが特徴です。アレクサンドリア総主教庁はアフリカ各地やマダガスカルで活発な宣教活動を展開し、一定の成果を上げています。現在の総主教はセオドロス2世です。

正式な称号

大都市アレクサンドリア、リビア、ペンタポリス、エチオピア、および全アフリカのパパ・総主教
父達の父
羊飼い達の羊飼い
主教達の主教
第13の使徒
全地の調停者

コプト正教会（非カルケドン派）のアレクサンドリア総主教

コプト正教会は、カルケドン公会議の結果、非カルケドン派となった教会です（単性論派と呼ばれることを拒否します）。現在の総主教は、2012年にシェヌーダ3世が死去した後、同年に選出されたタワドロス2世です。

正式な称号

大都市アレクサンドリアのパパ・大主教、聖マルコの聖にして正しく神を讃美する使徒の教区たるエジプト・ペンタポリス・リビア・ヌビア・スーダン・エチオピア・エリトリア・および全アフリカの総主教
聖致命者福音記者聖マルコの、大都市アレクサンドリアの聖座にある後継者
アレクサンドリアの主教
エジプトの上位府主教大主教
ペンタポリス、リビア、ヌビア、スーダンの首座
全アフリカの総主教
聖公使徒正教信仰の柱および守護者
アレクサンドリア大要理神学校の長老
聖使徒公教会の全地の調停者
使徒達の中の第13番目
父達の父、羊飼い達の羊飼い
全成聖者の成聖者

カトリック教会（ローマカトリック）のアレクサンドリア総大司教

カトリック教会にもアレクサンドリア総大司教座が存在し、コプト典礼カトリック教会の総大司教座が置かれています。

関連項目

総主教

外部リンク

Greek Orthodox Patriarchate of Alexandria and All Africa - 東方正教会のアレクサンドリア総主教庁公式サイト
* The Official Site of the Coptic Orthodox Pope - コプト正教会の教皇・アレクサンドリア総主教公式サイト

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