アレッサンドロ・カルボナーレ

アレッサンドロ・カルボナーレ

イタリアを代表するクラリネット奏者であるアレッサンドロ・カルボナーレは、1967年9月3日にイタリア北部の美しい町、デゼンツァーノ・デル・ガルダに生を受けました。彼と音楽との出会いは早く、わずか5歳でクラリネットという楽器を手にしました。ヴェローナ音楽院で本格的な音楽教育を受け、1987年にはその才能を高く評価され、首席で卒業する栄誉に輝いています。この学生時代には、トマス・フリードリ、ブルーノ・リゲティ、そしてヴァルター・ブイケンスといった、クラリネット界の巨匠たちから直接指導を受ける機会に恵まれ、その後の輝かしいキャリアの礎を築きました。

音楽院を卒業後、カルボナーレ氏は瞬く間に国際舞台へと躍り出ます。パリ、トゥーロン、ジュネーブ、プラハ、ミュンヘンなど、世界的に権威ある様々な国際クラリネットコンクールにおいて、彼は立て続けに最優秀賞を獲得。これらの華々しい受賞歴により、若きソロ奏者としてヨーロッパ各地で絶大な注目を集め、その存在感を確立しました。彼の演奏は、技術的な完成度と豊かな表現力を兼ね備え、多くの音楽ファンを魅了しました。

ソロ活動で高い評価を得る一方、カルボナーレ氏はオーケストラ奏者としても傑出したキャリアを歩んでいます。まず、フランスのリヨン歌劇場管弦楽団で経験を積んだ後、イタリア出身でありながらフランス国立管弦楽団の首席クラリネット奏者という異例のポジションに就任。この大舞台での活躍は、彼の国際的な名声を不動のものとしました。そして、2003年からは活動の拠点をイタリア国内に移し、ローマにあるサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団の首席クラリネット奏者として、今日に至るまでその重要な役割を担い続けています。サンタ・チェチーリア管弦楽団と共に、彼はクラシック音楽界を代表する指揮者たち、例えば小澤征爾、リッカルド・ムーティ、シャルル・デュトワ、クルト・マズア、エフゲニー・スヴェトラーノフ、ベルナルト・ハイティンクなど、錚々たるマエストロたちとの共演を重ね、その音楽性をさらに深化させています。

演奏家としての活動に加え、カルボナーレ氏は教育者としても国際的に活動しています。ロンドンの王立音楽大学、ニューヨークのジュリアード音楽院、パリ国立高等音楽院、さらには日本の国立音楽大学など、世界中の著名な音楽大学から招待講師として招かれ、次世代のクラリネット奏者の育成に情熱を注いでいます。また、ジュネーヴ、ミュンヘン、プラハ、北京の各国際音楽コンクールに加え、デンマークのカール・ニールセン国際音楽コンクールやフィンランドのクルーセル国際クラリネットコンクールといった重要な国際コンクールにおいて、審査員としても度々参加。その豊富な経験と深い洞察力をもって、若い音楽家の評価と育成に貢献しています。

主要ディスコグラフィー

アレッサンドロ・カルボナーレ (クラリネット)ライヴ・イン・東京
カルボナーレ 驚異のヴィルトゥオーゾ・クラリネット

アレッサンドロ・カルボナーレ氏は、ソロリサイタル、オーケストラでの演奏、音楽教育、そして国際的なコンクールの審査といった多岐にわたる活動を通じて、現代のクラリネット界において中心的な存在であり続けています。彼の卓越した音楽性と活動は、世界中の多くの人々を魅了し、クラリネット音楽の発展に大きく貢献しています。

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