アレン・クレイグ

アレン・クレイグ：勝負強さとユーティリティ性を兼ね備えた元メジャーリーガー

アレン・トーマス・クレイグ（Allen Thomas Craig, 1984年7月18日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身の元プロ野球選手。一塁手、外野手を主に守り、右投右打で活躍しました。

プロ入りとカージナルスでの活躍

2006年のMLBドラフトでセントルイス・カージナルスから指名されプロ入り。マイナーリーグで着実に力をつけ、2010年にメジャーデビューを果たします。当初は苦戦するものの、2011年には主に外野手として出場機会を得て、打率.315、11本塁打と才能を開花させます。テキサス・レンジャーズとのワールドシリーズでは3本塁打を放ち、カージナルスのワールドシリーズ制覇に大きく貢献しました。

2012年にはレギュラーに定着し、本塁打と打点でキャリアハイを記録。打率と長打率はリーグ7位、得点圏打率は.400と、勝負強さを見せつけました。2013年にはオールスターに選出され、名実ともにカージナルスの中心選手となります。打率.300、90打点をクリアし、安定した成績を残しました。

レッドソックスへの移籍と苦難

2014年シーズン途中にジョン・ラッキーとのトレードでボストン・レッドソックスへ移籍。しかし、移籍後は不振に苦しみ、怪我にも悩まされます。2015年はAAA級への降格も経験し、メジャーでの出場機会は激減。かつての輝きを取り戻すことはできませんでした。

2016年はメジャーでの出場はなく、マイナーリーグでも故障に苦しみ、出場機会は限られました。2017年にレッドソックスを解雇され、その後、サンディエゴ・パドレスとマイナー契約を結びますが、メジャー復帰は叶いませんでした。

プレースタイル

アレン・クレイグは、マイナーリーグ時代から打率.300、20本塁打、80打点を3年連続でクリアするなど、ミート力とパワーを兼ね備えた打撃が持ち味でした。メジャーリーグでも3年連続で打率.300、二桁本塁打を記録しています。失投を逃さず、広角に打ち分ける技術も持ち合わせていました。

また、特筆すべきは勝負強さです。2011年のワールドシリーズで3本の勝ち越し本塁打を放ったほか、2012年、2013年には2年連続でメジャー1位の得点圏打率を記録しました。特に2013年の.454という数字は、メジャーリーグ歴代3位の高率です。

守備面では、一塁手や右翼手として起用されることが多かったですが、守備範囲や肩の弱さが課題でした。ユーティリティプレイヤーとして、様々なポジションをこなしましたが、守備力は平均レベルにとどまりました。

度重なる故障も、アレン・クレイグのキャリアを阻んだ要因の一つです。鼠径部、膝、ハムストリング、足首など、多くの箇所を故障し、度々故障者リスト入りしています。

アレン・クレイグは、勝負強い打撃とユーティリティ性でカージナルスのワールドシリーズ制覇に貢献したものの、その後の移籍と故障により、本来の力を発揮することができませんでした。しかし、その輝かしい実績は、多くのファンの記憶に残っています。

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