アワブキ

アワブキ（泡吹、学名：Meliosma myriantha）は、アワブキ科アワブキ属に分類される落[[葉性]]の高木です。和名は、生木の枝を切って燃やすと切り口から泡が出る様子に由来します。中国では多花泡花樹と呼ばれています。

分布と生育環境

アワブキは、日本では本州（下北郡佐井村以南）、四国、九州に分布し、朝鮮半島にも生育しています。丘陵地や山地などの比較的標高の低い場所に自生しています。

形態と生態

アワブキは、樹高が8〜12メートルに達する落葉広[[葉樹]]です。樹皮は滑らかで、灰色から紫暗灰色、または灰黒色をしており、褐色で楕円形の皮目が特徴的です。小枝には毛が生えており、皮目が目立ちます。

葉は互生し、長さ8〜25センチ[[メートル]]の長楕円形から倒卵状楕円形をしています。葉の縁には短い鋸歯があり、芽、若枝、葉裏の脈上、花序軸には褐色の腺毛が生えています。

花期は初夏の6月から7月で、枝先に長さ15〜25センチ[[メートル]]の円錐花序を形成し、クリーム色の小さな花を多数咲かせます。花は直径約3ミリ[[メートル]]で、花弁と萼片はそれぞれ5個あります。花弁のうち3個は完全で、雄蕊は5個のうち2個が完全、残りの3個は鱗片状に退化しています。雌蕊は1個です。

果実は核果で、直径3.5〜4ミリ[[メートル]]ほどの球形をしており、秋の9月から11月頃に赤く熟します。秋には黄葉も美しく、紅葉とともに楽しむことができます。

冬芽は互生し、裸芽で黄褐色の伏毛に覆われています。枝先にも同様の毛があり、頂芽は長さ約1センチ[[メートル]]で、数本が上を向いてついています。側芽は小さく、葉痕は円形から半円形で、維管束痕がU字形に並んで7〜8個ついています。

アワブキの材は、その特性から細工物に使われることがあります。

参考文献

鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽：四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、224頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』学習研究社〈Gakken 増補改訂フィールドベスト図鑑 5〉、2009年8月4日、93頁。ISBN 4-522-21557-6。
平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、216頁。ISBN 4-522-21557-6。
邑田仁・米倉浩司 編『APG原色牧野植物大図鑑I 〔ソテツ科～バラ科〕』北隆館、2012年4月25日。ISBN 978-4-8326-0973-0。

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