アンカレッジ (ドック型揚陸艦)

[アンカレッジ]は、アメリカ海軍が運用していたドック型揚陸艦であり、アンカレッジ級ドック型揚陸艦のネームシップとして知られています。艦名はアラスカ州最大の都市、アンカレッジに由来します。

建造と就役

アンカレッジは1965年6月29日に建造が発注され、ミシシッピ州パスカグーラのリットン・インガルス造船所にて1967年3月13日に起工されました。1968年5月5日に進水し、1969年3月15日にアメリカ海軍に就役しました。

数々の作戦に参加

アンカレッジは、その34年間の現役期間中に数多くの軍事作戦に参加しました。ベトナム戦争の終盤には、アメリカ軍の撤退作戦に貢献し、海兵隊を本国へ輸送する任務を遂行しました。19度の配備転換を経て、西太平洋地域において最も勲章を授与された艦艇の一つとなりました。

1991年には、湾岸戦争における多国籍軍によるイラクからのクウェート解放作戦である「砂漠の嵐」作戦に参加しました。また、2000年10月には、イエメンのアデン湾で発生したミサイル駆逐艦コール(USS Cole, DDG-67)に対する自爆攻撃の事案において、救援活動を支援しました。

2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件後の対テロ戦争である、エンデューリング・フリーダム作戦とイラク・フリーダム作戦にも参加し、アンカレッジは2003年7月に母港であるカリフォルニア州サンディエゴに帰港しました。

退役とその後

アンカレッジは2003年10月1日に退役しました。退役後、アンカレッジの台湾への移管が計画され、2003年11月にはアメリカ上院で承認されました。当初はチョン・チェン（元カムストック、Comstock, LSD-19）に代わって台湾海軍に配備される予定でしたが、この計画は実現しませんでした。その後、2010年7月にアンカレッジは標的艦として海没処分されました。

アンカレッジの功績

アンカレッジは、34年間の現役期間中、世界各地で様々な任務を遂行し、アメリカ海軍の作戦遂行能力を支えました。ベトナム戦争から対テロ戦争まで、時代の変化に対応しながら、その役割を果たし続けたアンカレッジの功績は、アメリカ海軍の歴史に深く刻まれています。

関連項目
* アメリカ海軍艦艇一覧

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