アンカレッジ級ドック型揚陸艦

アンカレッジ級ドック型揚陸艦

アンカレッジ級ドック型揚陸艦は、アメリカ海軍が運用していたドック型揚陸艦です。基本計画番号はSCB-404-65で、トーマストン級ドック型揚陸艦をベースに、様々な改良が施されています。

概要

アンカレッジ級は、トーマストン級の拡大型として設計されました。全幅は変わらないものの、ウェルドックを拡大したことで、全長が約13メートル長くなっています。艦上構造物もやや大型化され、乾舷も引き上げられたことで、乗員の居住性が向上しました。

本級の最大の特徴は、艦後部に設けられたウェルドックです。ウェルドックの前部には大型クレーンが装備されており、揚陸作業を支援します。ウェルドック後部にはヘリコプター甲板が装備され、ドックを覆うような構造となっています。ヘリコプター格納庫はありませんが、航空燃料を90トン搭載することが可能です。

ウェルドックには、LCU-1610級揚陸艇を最大3隻、またはLCM(8)級揚陸艇を最大9隻、AAV7水陸両用装甲兵員輸送車を最大55両搭載できます。ウェルドックの前部には、中間デッキと飛行甲板へのランプを設けることができ、揚陸艇の搭載数は減少するものの、車両の搭載作業を容易にすることができます。就役時にはLCACエアクッション揚陸艇の搭載は考慮されていませんでしたが、後に最大3隻搭載可能となりました。

兵装

就役時には、7.6cm連装砲を4基装備していました。しかし、近代化改装の際にこれらは撤去され、CIWS（近接防御火器システム）などに換装されました。

退役とその後

アンカレッジ級は、2003年までにアメリカ海軍から全艦が退役しました。しかし、「ペンサコーラ」(LSD-38)は1999年に中華民国（台湾）へ売却され、「旭海」として再就役しています。

同型艦

アンカレッジ (Anchorage, LSD-36)
ポートランド (Portland, LSD-37)
ペンサコーラ (Pensacola, LSD-38)
マウントバーノン (Mount Vernon, LSD-39)
フォートフィッシャー (Fort Fisher, LSD-40)

脚注・参考文献

アメリカ揚陸艦史 世界の艦船 2007年1月号増刊 海人社 EAN 4910056040171

外部リンク

日本周辺国の軍事兵器
globalsecurity

もう一度検索