アンカーストア

アンカーストアとは

アンカーストア（anchor store）は、ショッピングセンターやショッピングモールにおいて、集客の核となる最も大規模な小売店舗を指します。通常、百貨店や大手小売チェーンの大型店舗がその役割を担いますが、場合によっては飲食店や娯楽施設がアンカーストアとなることもあります。

アンカーストアは、アンカーテナント、キーテナント、メインテナント、マグネットストアなどとも呼ばれ、英語では「draw tenant」という表現も用いられます。日本語では、アンカー店、核店舗、核テナントといった言葉が同義として使われ、文脈によっては単に「アンカー」と称されることもあります。

また、ショッピングセンターとは関係なく、多数の店舗を展開するチェーンにおいて、特に重要な少数の店舗をアンカーストア、アンカー店と呼ぶこともあります。

アメリカ合衆国におけるアンカーストア

ショッピングセンターが20世紀半ばから発達したアメリカ合衆国では、アンカーストアの存在がショッピングセンターの経営を大きく左右すると考えられています。当初は百貨店が中心でしたが、百貨店業態の衰退に伴い、他の大型店舗がアンカーストアとなるケースも増えています。

魅力的なアンカーストアの出店は、ショッピングセンターの成功に不可欠なため、デベロッパーはアンカーストアに対して、他のテナントよりも有利な出店条件を提示するのが一般的です。また、他のテナントは、アンカーストアの撤退時に対応する条項を契約に盛り込むことが多くあります。

大規模なショッピングセンターでは、複数のアンカーストアが設置されることもあり、2つのアンカーストアがある場合は、施設の両端に配置されるのが一般的です。1992年に開業した巨大なモール・オブ・アメリカは、四隅に4つの百貨店をアンカーストアとして配置しましたが、そのうちの一つは後に撤退しました。このように、複数のアンカーストアを持つショッピングセンターの中には、一部の店舗が撤退した状態で営業を続けている例も多くあります。

アメリカ合衆国でアンカーストアとしてよく見られる例としては、シアーズ、メイシーズ、ノードストロームなどの百貨店や、ディックス・スポーティング・グッズなどのスポーツ用品店が挙げられます。過去には、モンゴメリー・ワードやマーシャル・フィールズなどの百貨店や、ギャリアンズなどのスポーツ用品店もアンカーストアとして存在しました。

日本におけるアンカーストア

日本では、ショッピングセンターの規模によってアンカーストアの業態が異なります。小規模なネイバーフッド・ショッピングセンターではスーパーマーケットやドラッグストアが中心であり、コミュニティ・ショッピングセンターではディスカウントストアやゼネラルマーチャンダイズストアがアンカーストアとなります。さらに大規模なリージョナル・ショッピングセンターでは、百貨店や大型専門店がアンカーストアとなるのが一般的です。

チェーン店におけるアンカーストア

アンカーストア、アンカー店は、ショッピングセンターとは無関係に、チェーン展開している企業において特に重要な店舗を指す場合もあります。これらの店舗は、ブランドの顔としての役割を果たし、他の店舗の売上を牽引する重要な存在です。

アンカーストアは、ショッピングセンターやチェーン店の経営において、非常に重要な役割を担っており、その存在は集客力や売上に大きな影響を与えます。

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