アンチスパイウェア

アンチスパイウェアとは

アンチスパイウェアは、コンピュータに侵入し、ユーザーの情報を不正に収集したり、迷惑な広告を表示したりするスパイウェア、アドウェア、トロイの木馬などを検出・除去するソフトウェアです。これらの不正ソフトウェアは、気づかないうちにインストールされ、バックグラウンドで活動することが多いため、アンチスパイウェアはコンピュータのセキュリティを維持するために重要な役割を果たします。

概要

スパイウェアは、その活動が目立たないことが多く、ユーザーが感染に気づきにくいのが特徴です。そのため、メモリに常駐しないタイプのスパイウェアは、手動で検索しなければ発見が困難です。アンチスパイウェアは、このようなスパイウェアを検出するために、以下のような動作を行います。

1. パターンファイルとの照合: 開発元から提供されるパターンファイルには、既知のスパイウェアの特徴が記録されています。アンチスパイウェアは、このパターンファイルとコンピュータ内でやり取りされるデータのパターンを照合し、一致するものがないか確認します。照合の対象となるデータは、コンピュータ内だけでなく、インターネットとの間で送受信されるすべてのデータです。
2. 検出時のアクション: パターンファイルとデータのパターンが一致した場合、アンチスパイウェアはスパイウェアを検出したと判断し、ユーザーに警告を発します。その後、ユーザーの指示に従い、スパイウェアの駆除や隔離などの処理を行います。

アンチスパイウェアには、クライアントコンピュータを対象としたものと、メールサーバやデータサーバなどのサーバを対象としたゲートウェイ型のものがあります。

現状

近年、スパイウェアの存在が広く知られるようになり、その対策の重要性が高まっています。そのため、多くのアンチウイルスソフトやインターネットセキュリティスイートには、アンチスパイウェア機能が搭載されるようになりました。しかし、スパイウェアの中には、アンチスパイウェアの開発会社に圧力をかけ、自社のソフトウェアをスパイウェアリストから除外させようとする悪質なケースも存在します。

また、Ad-AwareやSpybot - Search & Destroyなどの有名アンチスパイウェアの検出を無効化し、自身を隠蔽する高度なスパイウェアも登場しています。さらに、「スパイウェアに感染している」と偽の警告を表示し、効果のないアンチスパイウェアを購入させようとする詐欺的なソフトウェアも存在します（WinFixerなど）。

主なソフトウェア

以下に、主なアンチスパイウェアソフトウェアをいくつか紹介します。

Ad-Aware SE / Ad-Aware 2008 (Lavasoft)
AhnLab スパイゼロ（株式会社アンラボ / 株式会社インターチャネル・ホロン）
CA アンチスパイウェア（旧製品名: eTrust PestPatrol アンチスパイウェア）（日本CA株式会社）
SGアンチスパイ（ジャングル株式会社 / 株式会社アークン）
Spybot - Search & Destroy（PepiMK Software / キヤノンITソリューションズ株式会社）
Windows Defender（マイクロソフト）
SpywareBlaster (Javacool Software)
カウンタースパイ（サンベルト・ソフトウェア）
スパイスウィーパー（ウェブルート・ソフトウェア）
ゼロスパイウェア (FBM Software)

関連項目

アンチスパイウェアに関連する用語や技術について、以下にいくつか紹介します。

偽装セキュリティツール: 有害なソフトウェアをあたかもセキュリティソフトであるかのように装い、ユーザーを騙してインストールさせるものです。
スパイウェア: ユーザーの情報を密かに収集し、外部に送信する不正ソフトウェアです。
アンチウイルスソフトウェア: コンピュータウイルスを検出し、駆除するソフトウェアです。アンチスパイウェア機能を含む製品も多いです。
アドウェア: 広告を表示するソフトウェアです。中にはスパイウェアの機能を兼ね備えたものもあります。
キーロガー: キーボードの入力情報を記録するソフトウェアです。個人情報やパスワードを盗むために使用されることがあります。
ダイヤラー: 電話回線を通じてインターネットに接続する際に、不正なダイヤルアップ接続を行うソフトウェアです。高額な通信料を請求する可能性があります。
* マルウェア: コンピュータに損害を与えることを目的とした、悪意のあるソフトウェアの総称です。スパイウェア、ウイルス、トロイの木馬などが含まれます。

アンチスパイウェアは、コンピュータを安全に利用するために不可欠なソフトウェアです。定期的なスキャンを行い、最新のパターンファイルを使用することで、より効果的にスパイウェアから保護することができます。

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