アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港

アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港：リオデジャネイロの空の玄関口

アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港は、ブラジル・リオデジャネイロにある国際空港です。リオデジャネイロ国際空港、または旧称のガレオン国際空港としても知られています。第二次世界大戦後の民間航空需要の高まりを受け、既存のサントス・ドゥモン空港のキャパシティ不足を解消するため、1940年代後半に建設が開始され、1952年に開港しました。

当初は、ブラジル最大の都市サンパウロ近郊に大規模な国際空港がなかったこともあり、リオデジャネイロだけでなく、ブラジル全体のハブ空港としての役割を担いました。ヴァリグ・ブラジル航空やパンアメリカン航空、日本航空など、多くの国内外の航空会社が乗り入れ、国際線の玄関口として賑わいをみせました。

1970年代のブラジル経済の急成長に伴い、航空需要の急増に対応するため、2つの近代的な旅客ターミナルが1977年に完成しました。新ターミナルは最新設備を備え、ボーディングブリッジも初めて導入されました。この時代には、エールフランスのコンコルドが定期便として運航するなど、国際線のハブ空港としての地位を確固たるものにしていました。

しかし、1985年にサンパウロ近郊にグアルーリョス国際空港が開港すると、ブラジルにおけるハブ空港としての地位はグアルーリョス国際空港に移りました。それに加え、ブラジル経済の悪化やヴァリグ・ブラジル航空の経営難などにより、1990年代には航空会社の乗り入れや便数が減少。年間乗客数も300万人を下回る状況に陥りました。

しかし、2000年代中盤以降、格安航空会社の台頭やブラジル経済の回復、観光客増加などを背景に、再び活気を取り戻します。サントス・ドゥモン空港の混雑解消のため、多くの国内線が当空港に移管されたことも、乗客数増加の大きな要因となりました。2007年には年間旅客数が1000万人を突破し、その後も堅調に推移しています。

2014 FIFAワールドカップと2016年リオデジャネイロオリンピックの開催を控え、第1、第2ターミナルの改修工事が行われ、BRT「トランス・カリオカ」のアクセスも整備されました。これにより、リオデジャネイロ市内中心部とのアクセスが大幅に向上しました。2014年には年間1726万人を超える旅客を記録。オリンピック開催の2016年も1610万人を記録するなど、国際ハブ空港として重要な役割を果たしています。

空港の名称は、1999年にボサノヴァの巨匠、アントニオ・カルロス・ジョビンに改称されました。

空港の敷地面積は1788ヘクタール。2つの半円形の旅客ターミナルは駐車場と一体化しており、自動車でのアクセスを重視した設計です。滑走路は南米でも有数の長さ（約4000メートル）を誇り、過去にはスペースシャトルの緊急着陸空港としても指定されていました。貨物ターミナルや航空会社の整備地区、広大な軍用地も空港敷地内にあります。

リオデジャネイロ中心部からは約20キロの距離に位置し、BRT、シャトルバス、タクシー、路線バスなど、様々な交通手段でアクセスできます。また、サンパウロ方面への高速道路へのアクセスも良好です。

1998年のサッカーワールドカップ開催時には、ナイキのCM撮影にも使用されました。

歴史と変遷、そして現代の活況を併せ持つアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港は、リオデジャネイロ、そしてブラジルの発展を象徴する重要なインフラとして、これからもその役割を担い続けるでしょう。

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