アンドレ・コリンバ

アンドレ・コリンバ（André Kolingba、1935年8月12日 - 2010年2月7日）は、中央アフリカ共和国の軍人であり政治家です。1981年から1993年まで同国の元首を務め、中央アフリカ民主連合（RDC）の指導者として知られています。

生涯と政治的キャリア

コリンバは1935年、フランス領ウバンギ・シャリの首都バンギで生まれました。彼はフランス軍に入隊し、1960年に中央アフリカ共和国が独立すると、その軍に加わりました。1979年にダヴィド・ダッコが皇帝ボカサ1世を追放して大統領に就任すると、コリンバは軍の参謀総長という要職に就きました。

1981年、コリンバはダッコをクーデターによって追放し、政権を奪取しました。彼は国家再建軍事委員会の議長として元首の座に就き、アンジュ＝フェリクス・パタセをはじめとする反対派を追放しました。1985年には大統領に就任しましたが、その政権運営は独裁的であり、政党はRDCの一党のみが認められました。また、自身が属するヤコマ人を筆頭とする南部出身者を重用し、北部人との対立を引き起こしました。

民主化と失脚

1990年代に入ると、経済難などを背景に民主化運動が激化しました。コリンバは複数政党制を認めざるを得なくなり、1993年の選挙の結果、パタセ元首相が大統領に就任し、コリンバは下野しました。

2001年には、コリンバ派の軍人がパタセ大統領に対するクーデターを企てましたが、これは失敗に終わりました。コリンバ自身はウガンダへと逃亡しました。

2010年2月7日、アンドレ・コリンバはパリで死去しました。

家族

コリンバの息子であるデジレ・コリンバは、2014年2月に行われた国民移行評議会による大統領選出選挙で決選投票まで残りましたが、カトリーヌ・サンバ＝パンザに敗れています。

アンドレ・コリンバは、中央アフリカ共和国の政治史において重要な役割を果たした人物であり、その功績と批判は今日でも議論の対象となっています。彼の統治は、国内の政治的・社会的な対立を深めることにもつながりました。

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