ダヴィド・ダッコ

ダヴィド・ダッコは、中央アフリカ共和国の政治家であり、同国の初代および第3代大統領を務めました。1930年3月24日にムバイキ近郊で生まれ、2003年11月20日に亡くなりました。

教育者としてのキャリアをスタートさせたダッコは、1951年にバンギの小学校長に就任。しかし、1955年に親戚であるバルテレミー・ボガンダ首相に見出され、黒アフリカ社会進歩運動 (MESAN) に入党し、政界への道を歩み始めます。1958年、ウバンギ・シャリ植民地が中央アフリカ自治共和国となると、内相に就任し、財相のアベル・グンバらと共にボガンダを支えました。

1959年3月29日、ボガンダが飛行機事故で急逝すると、ダッコは独立志向の強いグンバを嫌ったフランスの支援を受け、首相に就任。1960年8月13日、中央アフリカ共和国が独立すると、30歳という若さで初代大統領に就任しました。その後、内相、経済相、商業相を兼務し、権力を集中させました。

独立後、ダッコはグンバと対立を深め、1960年12月にはMESANの一党独裁体制を確立します。しかし、国内をまとめる手腕に欠け、汚職が横行し、経済は悪化の一途をたどりました。国民の不満が高まる中、1965年、国軍参謀総長であった従兄のジャン＝ベデル・ボカサによるクーデターが発生し、ダッコ政権は打倒されました。ダッコ自身は命を奪われることなく、ボカサの顧問として中央アフリカ国内に留まりました。

1979年、帝政を敷いたボカサの暴政を終わらせるためにフランスがクーデターを画策。その際、新大統領として白羽の矢が立てられたのがダッコでした。同年9月21日、ダッコは再び中央アフリカ共和国の大統領に就任します。しかし、再び国内をまとめきることができず、経済の低迷と政治の混乱により国民の不満は募りました。

1981年、複数政党制による大統領選挙が実施され、ダッコは大統領に選出されます。しかし、アンジュ＝フェリクス・パタセ率いる野党の激しい追撃を受け、当選直後から反政府デモが頻発。同年9月1日、国軍参謀総長アンドレ・コリンバによるクーデターが発生し、ダッコは亡命を余儀なくされました。

その後、亡命生活を送っていたダッコは、カメルーンの首都ヤウンデで2003年11月20日に死去しました。彼は中央アフリカ共和国の独立と激動の時代を象徴する政治家として、その名が刻まれています。

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