アンドレ・ブクレシュリエフ

アンドレ・ブクレシュリエフ（1925年7月28日 - 1997年11月13日）は、ブルガリアのソフィアに生まれ、後にフランスで活躍した作曲家です。

生涯と音楽

ソフィア音楽院でピアノを学んだ後、パリに留学しエコール・ノルマル・ド・ミュージックで研鑽を積みました。その後は同校でピアノ科の教鞭を執っています。1954年頃から作曲を始め、ダルムシュタットの現代音楽講習会に参加。ミラノではルチアーノ・ベリオやブルーノ・マデルナに師事し、作曲技法を磨きました。

1959年にドメーヌ・ミュジカルで上演された《ピアノ・ソナタ》の成功を機に、偶然性の音楽やチャンス・オペレーションにも取り組み始めます。アメリカ滞在中には、ジョン・ケージ、マース・カニンガム、ロバート・ラウシェンバーグといった前衛芸術運動の担い手たちと交流しました。

ブクレシュリエフの作品で特筆すべきは、1967年から1971年にかけて制作された連作《群島 Archipels 》です。この作品は、演奏者側の選択と自由を最大限に尊重したもので、彼の音楽思想を体現しています。その後の作品群も、この作曲原理を洗練させ、発展させたものが多く見られます。

生前にはレジオン・ドヌール勲章を受章するなど、数々の栄誉に輝きました。

音楽家として

ブクレシュリエフは、ベートーヴェンやショパンといった作曲家に関する評論や、音楽エッセイの執筆でも知られています。特にショパン論は、ドイツ語や英語に翻訳された他、日本語訳も出版されています。

主な著作（日本語訳）

『ベートーヴェン』西本晃二訳、白水社、新版1985
『ショパンを解く！』小坂裕子訳、音楽之友社、1999

外部リンク

* 公式サイト

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