アンドレ＝エルキュール・ド・フルーリー

アンドレ＝エルキュール・ド・フルーリーの生涯と業績

アンドレ＝エルキュール・ド・フルーリー（1653年6月22日または26日 - 1743年1月29日）は、フランスの聖職者および政治家であり、若き日のルイ15世の宰相を務めました。彼はアカデミー・フランセーズの一員でもあります。彼の人生と業績は、フランスの歴史において重要な位置を占めています。

出自と初期の経歴

フルーリーはロデーヴ（ラングドック）に生まれ、裕福な収税代行人の子として育ちました。若いうちからパリへ移り、イエズス会で教育を受け、聖職者としての道を歩み始めました。彼は王妃マリー・テレーズ・ドートリッシュに仕え、その後ルイ14世に仕官し、宮廷の中で影響力を持つようになります。1698年にはフレジュスの司教に任命され、長い間その地位に留まりますが、最終的にはヴェルサイユに戻ります。

ルイ14世のもと、フルーリーはルイ15世の教育者に任命され、その任務を忠実に遂行しました。ルイ15世との親密な関係から、フルーリーは国王に大きな影響を持つ存在となり、その結果、宮廷内での地位を確立します。オルレアン公の摂政時代が終わると、フルーリーは国王と共に宮廷の主導権を握り、権力の分配を行います。

宰相としての活動

1726年、フルーリーはその地位に対して好意的な態度で迎えられ、実質的には宰相としての役割を果たします。彼は国の経済や社会問題に対処しなければなりませんでした。特に、ルイ14世時代の戦争がもたらした財政上の課題や、ジャンセニスムに対する対応が大きな問題です。フルーリーは、財務総監にミシェル・ロベール・ル・ペルティエ・デ・フォールを任命し、歳出の削減や収入の増加に努めました。

フルーリーの下で、平衡のとれた財政が実現し、彼の政策によりフランスは経済の回復を遂げることができました。また、ジャンセニスムの問題にも取り組み、教書ウニゲニトゥスの承認を促し、協力しない聖職者に対して強硬策を講じました。

外交と戦争の政策

外交に関して、フルーリーは平和を重視し、イギリスとの比較的平和な関係を築くことに努めました。この外交政策により、フランスは国力を回復させる時間を得ました。しかし、オーストリア継承戦争が発生すると、フルーリーはその圧力に屈し、戦争に消極的な姿勢が目立つようになります。最終的に、フルーリーは国王からの信頼を失うことになるのです。

評価と遺産

フルーリーの治世は、歴史家によって「休息の時代」「修復の時代」と呼ばれています。彼の時代にフランスは安定を得、体力を回復しました。フルーリーの政策は一定の評価を受ける一方で、同時代の評価は分かれるところもあり、彼がルイ15世を支配しているかのように非難されることもありました。

彼の死後、国王は期待に応えることなく、政府は指導者不在に陥り、フランスは新たな混乱に直面します。フルーリーの影響力は大きかったものの、彼の晩年には批判も高まり、辞任を余儀なくされることはありませんでしたが、彼の治世がフランスの国家運営に与えた影響は決して小さくありませんでした。

もう一度検索