アンブライドルド

アンブライドルド：ケンタッキーダービー制覇から種牡馬としての成功まで

アンブライドルドは、アメリカ合衆国で誕生したサラブレッドの競走馬であり、後に成功した種牡馬としても知られています。1987年、フロリダ州の牧場で生まれ、競走馬としてのキャリアをスタートさせました。

華麗なる競走馬時代

デビュー前の調教では、日本の著名な騎手である武豊氏が騎乗したことが知られています。武豊氏は当時、アンブライドルドの年齢を知らされておらず、古馬だと思い込んで騎乗したため、調教後にその若さに驚いたという逸話が残っています。

1989年、アーリントンパーク競馬場でデビューを果たすと、翌1990年には、フロリダダービーで優勝し、アメリカ三冠競走への挑戦権を獲得しました。ブルーグラスステークスで3着と好成績を残し、ケンタッキーダービーでは単勝5番人気ながら、クレイグ・ペレ騎手の好騎乗で優勝という快挙を成し遂げました。特に、最後の2ハロンで記録した24秒4という驚異的なタイムは、1973年のセクレタリアトに次ぐ記録として競馬史に刻まれました。

続くプリークネスステークス、ベルモントステークスではそれぞれ2着、4着と惜しくも優勝を逃しましたが、秋にはブリーダーズカップ・クラシックで優勝、その年のエクリプス賞最優秀3歳牡馬に輝きました。

4歳となった1991年には、ブリーダーズカップ・クラシックに再挑戦しましたが、3着に終わり、このレースを最後に競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

種牡馬としての成功

1992年、競走馬を引退したアンブライドルドは、ゲインズウェイファームで種牡馬としての新たなキャリアをスタートさせました。その後クレイボーンファームに移籍し、数多くの優秀な産駒を輩出しました。

その代表的な産駒として、1996年ケンタッキーダービー優勝馬のグラインドストーンが挙げられます。これは、アンブライドルド自身によるケンタッキーダービー制覇に続く、親子二代にわたるケンタッキーダービー優勝という偉業でした。さらに、複数のブリーダーズカップ優勝馬を輩出するなど、種牡馬としても大きな成功を収めました。

アンブライドルドの産駒は、アメリカだけでなく、日本でも活躍した馬もおり、その血統は現代競馬においても大きな影響を与え続けています。

1993年産にはブリーダーズカップ・ジュヴェナイルとフロリダダービーを制したアンブライドルズソングやケンタッキーダービー優勝馬のグラインドストーンがいます。1995年産にはエクリプス賞最優秀3歳牝馬を獲得したバンシーブリーズ、1997年にはブリーダーズカップ・ジュヴェナイルを制したアニース、2000年にはフロリダダービー、ウッドメモリアルステークス、ベルモントステークスを制覇したエンパイアメーカーなど、数々のGI競走優勝馬を輩出しました。

母父としても活躍し、2001年産にはウッドメモリアルステークスを制したタピット、2004年にはテストステークスとプライオレスステークスを制したドリームラッシュ、2005年にはプール・デッセ・デ・プーランを制したファルコなど、様々な競走で活躍する馬を送り出しました。

2001年10月18日、疝痛のためクレイボーンファームで死亡しました。短い生涯でしたが、競走馬、種牡馬として大きな足跡を残し、競馬史にその名を刻んだ偉大なサラブレッドとして、今もなお語り継がれています。

血統表

（血統表は省略）

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