アンリ・シャピュ

アンリ・シャピュ（Henri-Michel-Antoine Chapu、1833年9月29日 - 1891年4月21日）は、19世紀フランスの彫刻家であり、その作品はフランス彫刻界に大きな影響を与えました。

生涯

シャピュは[1833年]]、セーヌ＝エ＝マルヌ県のル・メ＝シュル＝セーヌで、貴族の家の御者と女中を両親として生まれました。一家でパリへ移住後、1847年に装飾美術を学ぶため、プチ・エコール（後の国立高等装飾美術学校）に入学。そこで才能を開花させ、1849年にはエコール・デ・ボザールへと進みました。彫刻家ジェームス・プラディエ]に師事し、プラディエの死後、フランシスク・デュレのもとで研鑽を積みました。1851年には[[ローマ賞で2位となり、1855年に念願のローマ賞を受賞。

1856年から1861年までイタリアで修行し、古代彫刻やルネサンス美術から多くを学びました。1861年に制作した「ケーリュケイオンを造るメルクリウス」は、帰国後の1863年にサロン・ド・パリに出展され、3等のメダルを受賞。その後もサロンへの出展を重ね、数々の賞を獲得しました。1866年にはレジオンドヌール勲章（シュヴァリエ）を受章し、その功績が認められました。1867年のパリ万国博覧会にも作品を出展し、国際的な評価を高めました。

代表作としては、1870年に制作された農婦の姿のジャンヌ・ダルク像が挙げられます。この像は、フランスの愛国心を象徴する作品として広く知られています。また、シャピュは彫金家としても才能を発揮し、フランスにおけるメダルの彫金を芸術として再評価させることに貢献しました。

1880年にはレジオンドヌール勲章（オフィシエ）を受章。後進の育成にも力を注ぎ、アカデミー・ジュリアンで教鞭を執り、ドニ・ピュエッシュなど、多くの才能ある彫刻家を育てました。

主な作品

農婦の姿のジャンヌ・ダルク像
ケーリュケイオンを造るメルクリウス

参考文献

Henri Delaborde: Notice sur la vie et les ouvrages de M. Henri Chapus. Paris 1895.
Octave Fidière: Chapu, sa vie et son œuvre. Plon, Paris 1894 (Digitalisat).
Peter Fusco u. a. (Hrsg.): The romantics to Rodin. French 19th century sculptures from North American collections. County Museum of Art, Los Angeles 1980, ISBN 0-87587-091-0, S. ?.
James Mackay: The dictionary of sculptors in bronze. Woodbridge, Suffolk 1977. Nachdruck: Antique collectors’ club, Wappinger Falls 1995, ISBN 1-85149-110-4, S. ?.

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