アーゴシー

アーゴシー（Argosy）

アーゴシーは、1882年にフランク・マンジーの手によって創刊されたアメリカのパルプ・マガジンであり、その運命は1978年まで続きました。最初の発行号は全8ページから成り、当時の価格は5セントでした。この雑誌の正式名称は創刊後に何度も変更され、最終的には「Argosy All-Story Weekly」と名付けられました。この名称の「アーゴシー」は、大商船を指す言葉であり、物語の豊かさや冒険を象徴する名前となりました。

創刊当初の挑戦と成長

アーゴシーの創刊は、ニューヨークに移り住んだマンジーが、過去に働いた出版社の友人や、メイン州で株式仲買人として活動していた人物とともに実現しました。当初、マンジーは500ドルを自らの資金として原稿の購入に充てましたが、さまざまな困難に直面しました。最初の投資者であった株式仲買人が去り、資金難に苦しむ中、マンジーは雑誌をニューヨークの出版社に売り込み、自らを編集者として雇用する会社を探しました。

創刊号が発表されたのは1882年12月2日ですが、発行日は当時の慣習により12月9日とされました。初回号には、ホレイショ・アルジャーやエドワード・S・エリスの連載小説が掲載され、当初は子供向けを想定していましたが、実際には子供たちが長期的に購読することがないため、広告収入を得ることが難しいことにも直面しました。

パルプ小説誌への移行

1888年には誌名に定冠詞をつけて「The Argosy」とし、1894年4月からは月刊誌に移行しました。この時期にアーゴシーは「パルプ小説」に特化していき、1896年には完全に小説で構成されるようになりました。1917年には再び週刊に戻り、1919年には「Railroad Man's Magazine」と合併し、「Argosy and Railroad Man's Magazine」という名称が付けられました。

第一次世界大戦前のアーゴシーには、アプトン・シンクレアやゼイン・グレイなどの著名な作家たちが寄稿しており、彼らの作品は多くの読者に支持を受けました。

オールストーリーとの関係

アーゴシーとは別に、マンジーは1905年に「オールストーリー」という雑誌も創刊しました。この雑誌は1585年に始まり、後に週刊化され「オールストーリー・ウィークリー」と名付けられました。アーゴシーとの合併を経て、1920年からは「アーゴシー・オールストーリー・ウィークリー」として展開され、様々なジャンルの作品を掲載することになりました。エドガー・ライス・バローズの「ターザン」シリーズも、この時期に多くの読者に親しまれることとなります。

時代の変化と雑誌の進化

1941年には隔週刊に移行し、1942年7月からは月刊となりました。1943年には、紙質の改善と共に男性雑誌への変遷が見られ、小説の占める割合が減少し、ノンフィクションや男性向けの内容が増加していきました。この変わりゆく時代の中で、アーゴシーは様々な文化を反映し続けました。1978年にはその発行を終了しました。

復刊と後の展開

アーゴシーは1990年代にも復活し、2004年には季刊誌として再び発行されましたが、その後すぐに休刊となりました。2005年には「Argosy Quarterly」として新たな形で登場しましたが、最終的には2006年に再度の休刊を迎えました。

イギリス版の発展

アーゴシーのイギリス版も1865年に創刊され、その後エレン・ウッドの編集を経て1901年まで発行されました。また、1926年から1974年にかけてはいくつかの短編が転載される形式でペーパーバック版が出され、数多くの作家の作品が掲載されました。ジョーン・エイケンなどもこの時期の特別編集者として活躍しました。

アーゴシーは、その歴史を通じて多くの作品を世に送り出し、アメリカの文学史に名を刻む重要な存在であり続けました。

もう一度検索