プラタイア

プラタイア：古代都市の興亡

プラタイア（古代ギリシア語: Πλάταια, Plataia, Πλαταιαί, Plataiai）は、古代ギリシアのボイオーティア地方に位置した都市国家です。テーバイの南、アッティカ地方との境界付近に存在しました。反テーバイ、親アテナイの立場をとり、数々の歴史的事件に関わりました。

アテナイとの同盟

ヘロドトスの記述によれば、プラタイアはテーバイの覇権を拒否し、スパルタへの従属を望みました。しかし、スパルタはこれを拒否し、プラタイアとアテナイの同盟を勧めました。この同盟は、ボイオーティアとアテナイの対立を深める策略でした。プラタイアはアテナイに代表団を派遣し、アテナイはこの提案を受け入れました。

テーバイはプラタイアがアテナイと同盟を結んだことを知り、軍を派遣しましたが、アテナイ軍との対戦を余儀なくされました。コリントスの調停により、テーバイとプラタイアの境界が定められ、テーバイはボイオーティア同盟への不参加都市への干渉を控えることとなりました。しかし、コリントス人が去った後、アテナイ人は帰国途中にボイオーティア人に襲撃され、再び戦いが勃発。アテナイが勝利し、アソプス川が新たな境界となりました。アテナイの支援により、プラタイアは隣国の支配を逃れ、自由を守ることができました。

ペルシア戦争とプラタイアの戦い

紀元前492年、アケメネス朝ペルシアのダレイオス1世がギリシア遠征を開始（ペルシア戦争）。マラトンの戦い（紀元前490年）では、プラタイアだけがアテナイ側で参戦しました。ヘロドトスは、援軍のないアテナイ軍がペルシア軍と対峙する絶望的な状況下で、プラタイア軍が駆けつけた様子を描写しています。アリムネトス将軍に率いられたプラタイア軍は約1000人。アテナイはプラタイアに感謝し、左翼を任せました。戦後、プラタイアはアテナイと記念を共有し、アテナイの宗教儀式や競技会でアテネの守護神への祈りを捧げることが認められました。

紀元前479年、プラタイアの地でプラタイアの戦いが行われました。アテナイ、スパルタ、コリントスなどのギリシア連合軍が、ペルシアとテーバイなどの連合軍を破りました。この勝利により、クセルクセス1世による二度目のペルシア侵攻は阻止されました。

ペロポネソス戦争

紀元前431年4月、トゥキディデスによれば、300人のテーバイ兵がプラタイアに侵入しました。これは、テーバイとの同盟を画策する2人のプラタイア市民の協力によるものでした。しかし、プラタイア市民はテーバイ兵を攻撃し、約170人を殺害。アテナイは捕虜を殺さないよう指示しましたが、時すでに遅く、捕虜は市民によって殺害されていました。この事件により、テーバイとボイオーティア同盟は兵力の12%を失いました。アテナイはプラタイアを支援するために軍を派遣し、プラタイアの女性、子供、非戦闘員はアッティカへ避難しました。テーバイによるプラタイアへの先制攻撃は、ペロポネソス戦争のきっかけの一つとされています。

紀元前429年夏、スパルタ王アルキダモス2世がペロポネソス同盟軍を率いてプラタイアに侵攻し、収穫物を奪いました。プラタイアはスパルタにペルシア戦争の勝利を想起させる使者を送りました。スパルタはプラタイアを「聖地」として保護し、独立を認める代わりに、中立を保つことを提案。プラタイアはアテナイとの協議の結果、これを拒否し、都市の防御を強化しました。スパルタ軍はプラタイアを包囲し、様々な手段で攻撃しましたが、陥落させることはできませんでした。スパルタ軍は都市を包囲する城壁を築き、必要な兵力を残して撤退しました。

スパルタとテーバイに包囲されたプラタイアは、アテナイからの援軍も望めない状況で冬を越しました。220人ほどが包囲を突破して脱出を試みましたが、物資が尽き、援軍も期待できない状況下で、紀元前428年夏にスパルタに降伏しました。スパルタは「公正な裁判」を約束しましたが、実際には行われず、スパルタへの協力を拒否した約200人のプラタイア市民が殺害されました。テーバイは都市を完全に破壊し、その廃材を使ってヘーラーを祀る神殿を建設しました。

その後、紀元前381年に都市は再建されました。

現代

現代ギリシャ語ではプラテエス（Πλαταιές）と呼ばれ、ティーヴァ市に属する一地区となっています。

行政区画

旧自治体（ディモティキ・エノティタ）としてのプラテア地区（Δημοτική ενότητα Πλαταιών）は、ティーヴァ市を構成する行政区です。2011年のカリクラティス改革までは、ヴィオティア県に属する自治体・プラテア市（Δήμος Πλαταιών）でした。

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