アームドラッグ

アームドラッグ (Arm Drag)

アームドラッグは、主に組み技系の格闘技で使用されるテクニックであり、相手の体勢を崩したり、背後を取ったりするために用いられます。その技術は、格闘技の種類によって多様なバリエーションが存在します。

各格闘技におけるアームドラッグ

キャッチ・アズ・キャッチ・キャン、レスリング、グラップリング、ブラジリアン柔術:
これらの格闘技では、アームドラッグは相手の手首と肘の上部を両手で掴み、相手の背後または側面に回り込む技術を指します。レスリングでは、この技術は「ツー・オン・ワン (2 on 1)」とも呼ばれます。
相撲、柔道:
相撲や柔道においては、同様の技術は「手繰り（たぐり）」と呼ばれます。相手の腕を手繰り寄せて体勢を崩す技術です。
ブラジリアン柔術:
ブラジリアン柔術では、寝技の状態でもアームドラッグが使用されます。特に、柔術家のマルセロ・ガッシアは、シッティングガードポジションからアームドラッグを用いて相手の背後に回り込むことを得意としています。

プロレスにおけるアームドラッグ

プロレスにおけるアームドラッグは、他の格闘技とは異なる独自の形態を持っています。

アイリッシュ・ホイップ:
プロレスでは、走り込んでくる相手に対し、自分の利き腕の対角線上にある相手の腋に腕を差し込み、後方へ体を反らせながら相手を前方に投げ落とす技をアームドラッグと呼ぶことがあります。この技は、アイルランド人レスラーのダノ・オマホニーが得意技としていたことから、「アイリッシュ・ホイップ」とも呼ばれます。
別名:
アーム・ホイップ、サイクロン・ホイップ、サルトなどの別名も存在します。
使用頻度:
主に試合序盤の攻防で見られ、ルチャリブレ系のレスラーが使用することが多いです。かつては、ドリー・ファンク・ジュニア、ジャック・ブリスコ、リッキー・スティムボートなどのNWA世界王者や、エディ・ゲレロ、クリス・ベノワなども得意技としていました。

アームドラッグのポイント

アームドラッグは、相手のバランスを崩し、有利なポジションを確立するための効果的なテクニックです。レスリング、柔術、プロレスなど、様々な格闘技で使用されており、それぞれの競技で独自の進化を遂げています。アームドラッグを効果的に使用するためには、相手の動きを予測し、適切なタイミングで技を仕掛ける必要があります。また、技のバリエーションを豊富に持つことで、相手の防御を突破しやすくなります。

関連項目

とったり
小手投げ
* 魁皇博之: 手繰りの名手として知られる力士。

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