イェニカプ駅

イスタンブール・イェニカプ駅：歴史と交通の要衝

イスタンブールの中心部、ファーティフ地区に位置するイェニカプ駅は、トルコ国鉄（TCDD）のマルマライと、イスタンブール地下鉄M1A、M1B、M2号線の4路線が乗り入れる、イスタンブールにおける重要な交通結節点です。

歴史：考古学的発見と近代化

イェニカプ駅の起源は1872年に開業した旧駅まで遡ります。現在のイェニカプ駅は、2004年にマルマライ建設事業の一環として、旧駅の北側に新たに建設されました。ボスポラス海峡を貫通するマルマライ線の地下駅として計画された本駅は、当初2009年12月の完成を目指していましたが、建設中に多数の考古学的遺物が発掘されたため、工事が大幅に遅延しました。

さらに、イスタンブール地下鉄M2号線の金角湾南岸への延伸計画と、既存のM1号線の南への延長計画が2008年に決定し、両路線がイェニカプ駅で接続することが決定しました。M2号線の延伸工事は2009年1月に金角湾メトロ橋から開始されましたが、マルマライの遅延に伴い、地下鉄駅の開業も遅れ、最終的にはマルマライが2013年10月29日、M2号線が2014年2月15日、M1号線が同年11月9日に順次開業しました。

駅構造：多様な路線と洗練されたデザイン

イェニカプ駅は、それぞれの路線に合わせた独自の構造を持ちます。

トルコ国鉄（マルマライ）：地下駅で、島式ホーム1面2線を有しています。シンプルながらも効率的な構造が特徴です。
イスタンブール地下鉄M1A・M1B号線：地下駅で、相対式ホーム2面2線を有しています。東側のホームがM1A線、西側のホームがM1B線の乗り場となっています。
イスタンブール地下鉄M2号線：地下駅で、島式ホーム2面3線を有しています。中央の線路のみが使用され、ホームの天井は高く設計されており、トルコ石のタイルやセラミックで装飾された壁や柱が、洗練された雰囲気を醸し出しています。

利用状況と周辺環境

2017年10月時点（マルマライ全線開業前、カズルチェシュメ-アイルルク・チェスメシ間運行時）のマルマライの1日平均利用客数は約50,615人でした。駅周辺は、イェニカプ広場やイェニカプ公園、トルクメニスタン公園などの緑地、イェニカプフェリーターミナルなどの交通機関、イェニカプ・イブラヒム・ジャーラー・モスクなどの歴史的建造物、ホテルなどが集積し、賑やかなエリアとなっています。また、İETT（イスタンブール市営バス会社）の多数の路線バスも乗り入れており、市内各地へのアクセスも良好です。

アクセスと接続路線

トルコ国鉄（マルマライ）：カズルチェシュメ駅、シルケジ駅
イスタンブール地下鉄M1A号線・M1B号線：アクサライ駅
イスタンブール地下鉄M2号線：ウェズネジレル駅
* バス路線：30D, 31, 31Y, 33E, 36Y, 39, 39D, 39K, 41Y, 54Y, 55EY, 69A, 70FY, 70KY, 71AT, 72YT, 76A, 77, 81, 88A, 146T, 336Y, BN1, MR35など多数

まとめ

イェニカプ駅は、歴史と近代技術が融合した、イスタンブールの重要な交通ハブです。複数の路線が接続し、周辺には多くの観光スポットや商業施設が立地しているため、イスタンブール観光の拠点としても最適な場所と言えるでしょう。

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