イギリス国鉄158形気動車

イギリス国鉄158形気動車

イギリス国鉄158形気動車（British Rail Class 158）は、1989年から1992年にかけてイギリス国鉄によって製造された中距離用の気動車です。主に地方線区の機関車牽引列車や旧型の第一世代気動車を置き換えるために導入されました。全182編成が製造され、その中で「スプリンター」シリーズの一員として、高速運転が可能なため「エクスプレス・スプリンター」という愛称で呼ばれています。

概要

158形において大部分は2両編成で構成されているものの、17編成は3両編成で登場しました。3両編成のうち8編成は中間車を抜いて別の8編成に組み込まれ、159形への改造が行われています。残りの10編成はリーズ周辺の近郊列車向けに小改良が施された上で運用を開始しました。

初期型の1次車には350HPのカミンズ製ディーゼルエンジンが搭載され、2両編成や3両編成を組むことができます。2次車になると同じく出力350HPのパーキンス製エンジンを搭載しています。最終増備車については、ウェールズの山岳路線向けに400HPの高出力カミンズエンジンが搭載されています。また、その他に3両編成として22編成が製造されその後159形へと改造されています。

全編成にはP4-4AおよびT4-4A形の台車が装着されており、BSI式連結器も装備されています。これにより、150形、153形、155形、156形、159形、170形といった他形式の車両との併結運用が可能です。

運用

158形気動車は、1989年にスコットレールで運用を開始したのが始まりです。その後、イギリス国内のミッドランド、北部イングランド、ウェールズ、南西部といった地域で運用範囲が広がりました。民営化が進む中で、いくつかの運行会社に引き継がれ、現在も以下の会社で使用されています：

• - アベリオ・スコットレール
• - アリーヴァ・トレインズ・ウェールズ
• - イースト・ミッドランズ・トレインズ
• - サウスウェスト・トレインズ
• - ノーザン
• - グレート・ウェスタン・レールウェイ

タイ向けの輸出車両

158形を基にした気動車がタイ国有鉄道向けに製造されたASR型です。1990年から1991年にかけて、BRELによって3両編成が6本製造され、タイへ輸出されました。この車両は現地のニーズに応じて圧縮された1,000 mmの狭軌に対応し、客用扉は手動の内開き式に設計されています。さらに、2011年には全車両が改装工事を行いました。

イギリス国鉄158形気動車は、その優れた性能と運用の広域性から、乗客に信頼される交通手段として現在も機能しています。英国の鉄道輸送における重要な役割を担っており、様々な地域でその姿を見ることができます。

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