イゴール・タナベ

イゴール・タナベは、ブラジル・サンパウロ出身の2000年生まれの総合格闘家です。7歳で母親のダイエットがきっかけで始めたブラジリアン柔術で頭角を現し、数々のタイトルを獲得しました。

彼の柔術キャリアは華々しく、2017年のブラジリアン柔術世界選手権ムンジアルでは青帯ながら3試合連続一本勝ちで優勝。その後も2018年にはIBJJFヨーロピアン、パンアメリカンで入賞、ムンジアルで2度目の優勝を飾るなど、世界レベルで活躍しました。2019年には茶帯でムンジアル3位入賞を果たし、3年連続で世界大会入賞という偉業を達成しています。2020年からは新型コロナウイルスの影響で拠点を日本に移しました。日本でも活躍は続き、2021年と2022年にはJBJJF全日本選手権で、それぞれの階級と無差別級で優勝し、2連覇を達成しています。

しかし、柔術だけで家族を養うのは困難だったため、生活のために総合格闘技への転身を決めました。HEATの志村会長の勧めや、総合格闘技への興味をきっかけに、青木真也や住村竜市朗といったトップファイターとトレーニングを重ねる中で、総合格闘技の魅力に取りつかれ、本格的にMMAファイターとしての道を歩み始めることを決意します。

2021年10月、HEAT 49でプロ総合格闘技デビューを果たし、清水洸志選手を相手に得意の三角絞めで一本勝ちを収め白星でスタートを切りました。2022年12月には、INOKI BOM-BA-YE × 巌流島 in 両国でBellatorやDREAMで活躍したメルヴィン・マヌーフ選手相手にヒールフックで一本勝ちを収め、MMA2連勝を飾りました。

その後、RIZINと契約。2023年5月にはRIZIN.42で参戦を発表し、大きな話題となりました。2023年7月には超RIZIN.2でRIZINデビューを果たし、元DEEPウェルター級王者の阿部大治選手を相手に1Rにヒールフックで一本勝ち。10月にはRIZIN LANDMARK 6でLEGION JAPANミドル級王者のANIMAL☆KOJI選手と対戦し、1Rに三角絞めで一本勝ちを収めました。同年12月にはRIZIN.45で階級をウェルター級に落とし、元UFCファイターの安西信昌選手をリアネイキドチョークで一本勝ちと、デビューから連勝街道を突き進みました。

2024年3月にはRIZIN LANDMARK 9で元HEATウェルター級王者のストラッサー起一選手との対戦が予定されていましたが、計量前日の水抜き中にトラブルが発生。脱水症状により意識を失い、病院に搬送されたため、試合は中止となりました。

今後の予定としては、2024年11月17日に行われるRIZIN LANDMARK 10で、階級をライトヘビー級に上げて、師匠であるマルコス・ヨシオ・ソウザ選手との対戦が予定されています。この試合は、彼自身の柔術家としてのキャリア、そして総合格闘家としてのキャリアにおける大きな転換点となるでしょう。 彼の今後の活躍に期待が高まります。

もう一度検索