イザヤ

イザヤは、旧約聖書に登場する預言者であり、ヘブライ語では「יְשַׁעְיָה Ysha'yah」と表記されます。ギリシア語では「Ησαϊας Esaias」、ラテン語では「Isaias」、英語では「Isaiah」と発音されます。日本語では、ラテン語形から派生した「イザヤ」という名前で広く知られています。正教会では聖人として崇敬され、「イサイヤ」と呼ばれています。

イザヤはユダ王国の後期に活動し、ウジヤ王からヒゼキヤ王の時代に預言者としての使命を果たしました。『歴代誌』には、イザヤがウジヤ王の業績に関する書を記したと記録されています。

『イザヤ書』によれば、イザヤは結婚しており、妻は女預言者ツィポラとして知られています。彼には二人の息子がおり、それぞれに神の啓示に基づいて象徴的な名前が与えられました。

イザヤの預言活動は、ユダの社会における不正を厳しく糾弾することから始まりました。彼は、人々が神の教えから離れ、道徳的に堕落していることを指摘しました。また、神の警告として、バビロン捕囚を預言しました。しかし、彼は単に警告を与えるだけでなく、希望のメッセージも伝えました。

イザヤは、バビロンがキュロスの手に落ち、シオンが回復すると預言しました。さらに、メシアの到来を告げ、そのメシアが世界に平和と正義をもたらすと説きました。イザヤ書には、メシアに関する数々の預言が含まれており、その中でも特に重要なのは、イザヤ7章14節、9章7節、11章1-5節、10節、53章などです。これらの預言は、後のキリスト教においてイエス・キリストの出現を指し示すものとして解釈されました。

イザヤの生涯の最後については、伝説によれば、彼はのこぎりで挽き殺されて殉教したと言われています。彼の殉教を描いた絵画が数多く存在し、彼の信仰と勇気を物語っています。

イザヤは、預言者としての鋭い洞察力、社会の不正を糾弾する勇気、そして未来への希望を語る力によって、旧約聖書における最も重要な預言者の一人として、後世に大きな影響を与えました。

参考文献

聖書の登場人物の一覧
イザヤ書
コトバンク『イザヤ』

関連事項

イザヤ書は旧約聖書の中でも特に重要な書の一つであり、メシア預言を含む重要な教えが数多く含まれています。
イザヤの預言は、後のキリスト教神学において、イエス・キリストの到来を予言するものとして深く考察されました。
イザヤのメッセージは、現代においても、社会正義と信仰について考える上で重要な示唆を与えてくれます。

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